ニューヨークで育児をしている日本人ママたちに育児について聞いてみた。ワーキングマザーやカレッジマザーなど、彼女たちはどうやってそれらを両立しているのだろう?NY在住日本人ママたちの生の声を交えながら現状をレポート。
DKNYで働く管理職の女性あつ子さんは出産直前まで仕事を続け、産後もすぐに自宅にて仕事していたという。日本人ワーキングマザーたちは、食事だってアメリカ人のように冷凍ものやピザで済ませるわけにもいかず、きちんと料理を作ったりして家事の手抜きもせず育児と仕事をこなしてるようだ。
さてさて、あつ子さんの場合は?
●出産直前まで働くアメリカの妊婦
「私は出産直前まで働いてましたね。大きなお腹を抱えて出張にも行ってたし。アメリカで働いてる妊婦の多くは、出産直前まで働いてるんですよ。現在勤めているDKNYで実際にあった話なのですが、出産のその日まで働いてて『昨日子供が生まれたから、これから3ヶ月休みます。』って次の日に電話が入ったりとか」。
アメリカは病院も日本のように出産前から入院させたりはしない。陣痛が5分間隔になるまでは受付けてもらえないのだ。早く行きすぎると「まだ陣痛の間隔が長いようだから、出直してください。」って追い返される。そのままセントラルパークを散歩したり、メトロポリタン美術館へ絵画鑑賞なんて妊婦もいるという。
私が出産したNYUでは、陣痛の始まっていない妊婦が、肌寒い待合室で毛布にくるまって長イスで一晩過ごしていた。その妊婦も帰らないところがスゴイんだけど。
●会社見学は女性ばかり
「アメリカではワーキングマザーが多いから、子供がいても融通がきくので働きやすいです。たとえば午後8時すぎに、アフタースクールを終えた子供を連れてオフィスへ戻って、子供をデスクの横で待たせておいても問題ないし。夏休みでも子供づれで仕事に行ったりとか。
あとワーキングマザーズデーというのがあって、仕事してる親の姿を見学できる日が設けられているんです。お母さんが働いてなければ、女性が働いているところに女の子だけで行ったりする。なぜだか見学する側もされる側も女性対象なんですよね。やはり女性の仕事に対するモチベーションを上げるためでしょうか」。
日本ではまだまだ働く女性の位置が低いというが、そもそも子供が職場に入るのって不謹慎だ! みたいな空気があるせいかもしれない。日本では1980年代はじめに職場へ子供を連れてきたアグネス・チャンに対して「アグネス論争」が巻き起こったことがある。子連れでは働きにくい日本の環境が、多くの女性が結婚や出産までの腰かけでしか仕事ができない理由ではないだろうか?