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不法滞在の不安と楽しみ NY不法滞在者インタビュー(3ページ目)

不法滞在するために語学力は?NYに不法滞在してまで住んでて何が楽しいの?将来に対する不安は?など核心にふれるインタビュー。

執筆者:溝口 弘恵

語学力がなくても生きていけるNY


「NYに来た当時、英語なんて話せなかった。それよりも英語を話すのが大嫌いだったから、なかなか勉強しなかった。けど一歩外へ出れば英語を話さなくちゃならないし、一年くらいで簡単な英語には慣れた。今は、文法書なんかを読んだりしているけど、未だに苦手。

NYって日本語だけで暮らそうって思ったら日本語だけでも生活できる不思議なところ。まず自宅にて、ケーブルTVで日本語放送に加入してれば、日本語放送を24時間見れるし、日本語でカラオケ屋もあれば、日本語の本屋、古本屋、日本語レンタルビデオ店、日本人の美容師のいる美容院、古着屋。

挙句には日本本国の次に数が多いといわれている日本食レストラン。もちろん日系のスーパーだってあるし、世界広しと言えどもこんな場所はないかも。

そんなだから15年もNYに住んでて、カタコトの英語しか話せない人も多い。万が一、英語を話さなくっちゃいけない時は、英語のできる人に頼んだりしているそうだ。

だけど私はそういうのは好きじゃない。つまり日系コミュニティーの中だけで生きていくのは嫌だ。せっかくNYに居るんだから、日本を忘れて、いろんなところに行っていろんな空気を吸いたい。だから、NYから出られないのかもしれないなあ(笑)。」

将来このままNYに居つくの?


「今後も日本に帰る予定はないな。というより考えてない。日本が恋しくないかと言われると、恋しくないというのはウソだけど、いま現在の気持ちとして日本に住みたいとは思っていない。
実際問題として、30代半ばで仕事が見つかるのか、NY帰りだっていっても英語もロクに話せないから英語関係の仕事には就けないし・・・。

なによりも『この人NYに行ってまで何をしていたんだろう』っていう目で見られるかと思うとイヤだな。自分のカテゴリーに入れたがる形式ばかり気にする日本には帰れない。

かといって、このままNYに住めるのかというのも大いなる疑問。第一関門突破として、どうにかして合法者になって、英語もどうにかしようとか・・・しか考えてない。そこがクリアされたら、また何か新しい扉が開かれると思っているから。

不法滞在者と聞くと、すごく暗くて惨めなイメージがあるみたいで、『大変だねえ』とよく言われたけれど、実際、まぁ~大変だけど、なんとかなっているから、そんなに大変じゃないのかもしれないな。とはいえ、他の人に不法滞在者になれとはぜったい勧めない。」

不法滞在者としてNYに住むための心得や極意


「NYで暮らす」のガイドをやっていると「どうやってもビザを取りたいのですが?」という質問が寄せられる。今はこの不景気からか就労ビザは特に取得が難しいようだ。以前は「こちらへ来て、職探しすれば?」などとアドバイスしてたけど、そうもいかなくなった。

ところで、勧めないとはいえ、不法滞在者としてNYに住むための心得や極意みたいなものはあるのだろうか?


「まず謙虚であること。ものごとに対して感謝の気持ちを忘れないこと。いろんな不平・不安もありながら、誰に頼まれてたわけでもなくここNYに不法でありながら住むことを決めているわけだから、それに対しての責任は持つようにすること。とはいえ、自分はいつも文句垂れてるけど(笑)。

基本的にお気楽、楽観主義者であるべし、何か問題が起きても『まっ、どうにかなるでしょう』って感じで生きていく。ほら、捨てる神あれば拾う神ありっていうじゃん。いやな思いをしても、その後で必ずいい人に巡り会って助けてもらったりすることがあったりすると『人生どうにでもなるな』と思うんだ。

冷静に考えてみると、長い人生の中で不法滞在者であるという状況ってなかなか無いから『今という時間は今しかない。だったら楽しまなくっちゃソンソン』って、自分の置かれている状況を楽しむ。これに限る(笑)。

不法滞在者とはいえ、彼女にはNYが似合うという印象をうけた。スポーツ観戦はもとより、フリーコンサートへ行ってみたり、美術館めぐりなどと、NYで楽しめることを思う存分に満喫してる。合法滞在者として駐在でNYへ来て、NY日系コミュニティーにドップリつかってる一部の人(私もどちらかといえば、NY日系コミュニティー派なんですが。)と比べると、NYに住むのにふさわしいタイプなのかもしれない。
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