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不法滞在の不安と楽しみ NY不法滞在者インタビュー(2ページ目)

不法滞在するために語学力は?NYに不法滞在してまで住んでて何が楽しいの?将来に対する不安は?など核心にふれるインタビュー。

執筆者:溝口 弘恵

偽装結婚まで考えてるって?!


「いつの間にか自分ももう30代半ばになってて。来た当初の、1年2年はNYがとにかく面白かった。不法滞在者という立場の自分が面白かったし。でも、もう5年目を迎えると、いつまでもウェイトレスをして生活費を稼ぐことに不安も覚えるし、いい加減不法滞在者でいることに疲れてきた。

やっぱり合法滞在者になりたい!どうにかしてでも。偽装結婚とかも考えているけど、それもなかなかねえ・・・。お金も暇もかかるし、何よりも相手を探すのが大変(笑)。グリーンカードの抽選に当たるのをひたすら待つしかないかな。

思うに、以前と違って今は不法滞在者でいる人には厳しい時期。何よりも景気が悪いし。とはいえ、そこは太っ腹なアメリカ、抜け道は必ずある。そんな状況をどこまで楽しく遊べるかってことが大切だよね。」

私も一般の観光客同様に90日以内のノービザでNYに滞在していた頃、ある友人に「偽装結婚してみようかな・・・」と相談したことがあった。彼女によると「男友達などに頼んで、どんなにお互い理解して、お金で解決しようとしても、絶対にトラブルになるの。たとえば身体の関係を迫ってきたり、もっと金をくれないとINSにバラすって脅されたり。私の知人には、それで泣いてる人がたくさんいる。」ってことだった。

ジェラール・ドパルデューとアンディ・マクダウェル主演「グリーンカード」っていう映画で、偽装結婚してる二人が恋に落ちるんだけど、あれってやっぱり映画の世界だったのね。世の中そんなに甘くない!


不法滞在してまで住みついてるNYの魅力って?


NYは不法滞在してでも住んでみたいところ。それは私も同感する。それは日本と違って社会のしがらみから開放されるからかも。

「日本に住んでいるときって、周囲の人や社会から『これからどうするんだ』『こういうふうにしなくっちゃだめじゃないか』というプレッシャーが強くて、すごくいやだった。でもNYは違う。全て自分の意志で行動ができるわけ。

もちろん不法滞在者だから社会から何の保障もないけど、気楽。つまり、いい意味でも悪い意味でも、無責任でいられる。

その代わりかるい差別を受けたり、日本では考えられないアクシデントに当たっても助けてくれる人はいないし、なんでも自分で処理をしなくっちゃならないので、すごいタフじゃないと辛いかも。

それと、NYっていろんな国の人が住んでいて、いろんな価値観があって、刺激的。アメリカであってアメリカじゃない。

図書館や美術館を安く利用できたり、夏になるとセントラルパークや他の公園で、映画やオペラ、クラシックコンサートがフリーで鑑賞できる。貧乏でも楽しめることがいっぱい。

NYでは見栄を張る必要もないし、どんな格好をしていても咎められない。貧乏は貧乏なりに、いろいろと楽しめるところが最高。」
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