●Introduction

私がアメリカに来る前には、アメリカにいる日本のビジネスマンって英語がペラペラ喋れてスマートなんだろうなぁー、休み時間にはボブ君やジェフ君とランチを食べに行ったりするんだろうなぁーなんて勝手にイメージしていた。

だけどニューヨークに来て実際に日系のコンピューター会社に勤めることになったら、日系社会というものの存在を目の当たりにしたのだった。

ボブ君とジェフ君と日本のビジネスマンがサンドイッチを頬張りながら、笑顔でランチする姿のイマジネーションで完成したジグソーパズル。それが一枚そして一枚と剥がれ落ちていく。

現実には一日中どっぷり日本語の世界なのだった。

ランチも日本の弁当屋さんが弁当を運んできてくれるから、日本食を日本人の同僚と食べる。そして日本のビデオ屋さんがビデオを運んでくれるから、帰宅してからは日本のテレビを見る。

パートナーが日本人なら、むろん自宅でも日本語でしか会話しない。帰りに寄り道して遊びに行っても、日系レストランで日本人のウェイトレスにオーダー、日系のバーで日本人のホステスさんとエッチな話で盛り上がり、週末には日系のスーパーで買い物すれば、レジを打つのは日本人。
こんなんじゃー日本にいるのと同じだぁー!!!

そして日系企業(特に金融関係や商社)のトップマネージメントは日本からの駐在員。再び日本へとんぼ返りするんだから、英語なんて喋れなくてもいいのだぁー! なんてね。

可愛いバイリンガルのお姉ちゃんを秘書にしている駐在員に英語は不要。そうは言っても10年近くいた駐在員がイエローキャブの運ちゃんに説明するのさえ、マゴついてるんじゃなぁー・・・。そういう人にかぎって日本に帰ったらニューヨーク帰りってことを鼻高々に自慢してそうだ。

さて、これから登場するのは、まさに私が夢に描いていたビジネスマンなのである。理想のビジネスマンがアメリカ人と、どういう風にやり合ったり、どういう風に感じたり、ビジネスをどういうふうに進めていってるのかという日々の出来事からビジネスの展望まで、あんまり難しい話は抜きにして語ってもらおう。