【素直になれる場所】
自然からどんどん離れたから、私たちの生活がおかしくなったわけでしょう? 生き物としての根本がゆがんでしまい、無理に無理を重ねて今の経済社会を作り上げている。
青空を見て自然に抱かれているのを感じたとき、自分が180度変わったのが分りました。
ゆんたくの場にも積極的に加わり、苦痛だったおしゃべりにも耳を傾けようになった。すると、今まで他人のことなどどうでもよかったのに、色々な人に対して興味が湧くようになりました。
青臭い言い方だけど「人間って、それぞれ個性があってステキだな」と……。
同時に、人には絶対弱みを見せたくないと突っ張ってた自分の滑稽な姿が見えてきました。辛いとき、苦しいとき、素直に口に出せるっていうか、自分の弱い部分をさらけ出しても、ここでは、誰も足を引っ張らないし、バカにしない。
人間関係の密度がとても希薄な生活に慣れていると、島の濃い人間関係に面食らうことは確かです。
でも、都会で暮らす多くの人がかかえる孤独、集団のなかの孤独ほど、人の心を殺伐とさせるものはないと思うのです。
自分の弱い部分を見せたくないから「これ以上、入ってくるな」とそれぞれがボーダーラインを引き、そのラインの外側で人と付き合う。
綺麗な言葉で言うと「プライバシー」ってやつね。人のプライバシーに踏み込んではならないという暗黙のルール。でも、人間って、こんな関係で本当に満足できるのかな。
沖縄の良さは悪さだとよく言われます。たしかに、本土と違う部分が、沖縄発展の足を引っ張っているのは事実。しかし、それこそが、沖縄の良さなのです。
こうしたことをご自身で体感してしていただくには、地元の方と触れ合う旅やプチ移住なりで体験してみるしかないでしょう。
パックツアーで来られた方が、沖縄ファン、つまりリピータになる率は低いそうです。多いのはサーフィンやダイビングをやっている人たち、バックパッカーや自然に魅せられた方々です。当然、移住希望者の殆どは後者です。
その違いは、出会いの差でしょう。観光地めぐりだけではなくて、ウチナーンチュや移住したナイチャーと出会い、友達になる。酒を飲み、おしゃべりして、沖縄の本当の良さを知る。自然と人、これが沖縄ファンになるキーポイントなんでしょうね。
地域の魅力とは、突き詰めれば人の魅力です。
いくら自然環境が良くても、人的交流が楽しめない地域で暮らそうと考える人はいませんもの。