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二階には二段寝台。らせん階段を下るとラウンジが… 飛行機にも「寝台車」があった?

昼は快適なリクライニングシート。夕方には螺旋階段を下りて階下のラウンジでシャンパンを傾け、心地よい酔いとともにベッドにもぐりこむ。実は50年ほど前にそういう飛行機が実在したのです。

執筆者:星野 幸詩


昼は座席、夜は二段寝台に早がわり

B377には二段寝台が14名分装備されていた。昼は快適なリクライニングシート。夕方には螺旋階段を下りて階下のラウンジでシャンパンを傾け、心地よい酔いとともにベッドにもぐりこむ。そんな空の旅があったらすばらしいと思いませんか?

ところがいまから50年近く前にそんな優雅な旅を実現する飛行機が世界中を飛んでいたのです。

B29爆撃機をベースに設計

その名はボーイングB377ストラトクルーザー。この飛行機の外見をまず見てみてください。下膨れのヘンなかっこうをしていますよね。実はこの飛行機、第二次世界大戦中に製造されたあのB29爆撃機を改造したもの。機体下部を拡大して、その前方に荷物室、後ろのほうにラウンジーとバーを設置しました(写真をよく見ると階下の後ろのほうに小さな丸い窓が3つ見えるはずです。そこがラウンジになります)。

「空飛ぶホテル」


機体の中央部は昼間は座席、夜間は寝台になる構造となっていた。このB377ストラトクルーザーは当時の旅客機としては最大の客室スペースを持ち、その贅沢な使われ方から「空飛ぶホテル」とも形容されました。そこでその「ホテル」の中身を少しのぞいてみることにしましょう。

まず飛行機の断面図をみてみましょう。アッパーデッキの最前部にはラグジャリーコンパートメントが、その次に男性用と女性用のお手洗いがそれぞれあります。お手洗いひとつとっても狭苦しい個室なんかじゃありません。このゆとりですから驚きです。

寝台はどういう構造になっていたのでしょうか。詳細はつぎのページで紹介します。
ボーイングB377寝台
ボーイングB377座席
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