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二階には二段寝台。らせん階段を下るとラウンジが… 飛行機にも「寝台車」があった?(2ページ目)

昼は快適なリクライニングシート。夕方には螺旋階段を下りて階下のラウンジでシャンパンを傾け、心地よい酔いとともにベッドにもぐりこむ。実は50年ほど前にそういう飛行機が実在したのです。

執筆者:星野 幸詩

全席がファーストクラス

ボーイングB377のギャレーで準備されている機内食。座席のクラスはすべてがファーストクラスだった。機体の中央部には寝台にできるシートが並んでいました。ちなみにB377は全席がファーストクラス。まさに高嶺(高値?)の華だったわけです。

座席の配列は2×2で窓には現在のような日よけではなく、カーテンがとりつけられていました。座席の状態での機内の様子についてはここなどでチェックすることができます。

座席4席分を使って寝台の下段をつくる

寝台は写真で示されているように上段はいまの荷物入れのように引き出して用います。下段は2列分のシートを使って、前のシートを完全に水平にリクライニングしてベッドにしました。ですから1つのベッドを作るのに4席分を必要としたということになります。また通路との間にはカーテンが敷かれたのでプライバシーもきちんと確保されたようです。この写真を見るとひと昔前の電車寝台みたいですね。

バー併設のラウンジでシャンパンを…

らせん階段を下ると階下にはバーを併設したラウンジがあった。さらに機体中央部から後ろに進みましょう。すると階下のバーとラウンジへ下りるらせん階段を経てさらに座席が並んでいます。階下に下るとフリースペースとして用いられるラウンジがあります。翼の下にありますから外の景色はよかったでしょう。ただ屋根は少し低かったようです。ラウンジにはバーもあり、シャンパンなどが振舞われていました。優雅な時間が流れていたにちがいありません。

マリリンモンローが来日したときにも使用された

このB377ストラトクルーザーは当時絶頂期をむかえていたパンアメリカン航空(パンナム)が29機を所有していたほか、ユナイテッド航空、ノースウエスト航空、英国のBOAC(英国海外航空)などの長距離国際線で活躍しました。

1958年には大型ジェット旅客機B707が誕生することにより、その活躍は短命に終わり、総生産機数はわずか56機にとどまっています。ですが、古きよきアメリカの黄金時代を象徴するこの機体はこれからも語り継がれていくでしょう。そして、こういう夢のある飛行機がまた現れないものかと期待してしまうのはガイドだけでしょうか。



【関連リンク】
Boeing 377 Stratocruiser(英語 B377の写真が多数あります)
2階建て飛行機エアバスA380とは
飛行機[AllAboutJapan]
ボーイングB377ギャレー
ボーイングB377ラウンジ
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