幻の漬物とおごっつおに大満足
おごっつおダイニング「幸の蔵」。かわいらしい前菜に加え、郷土に伝わる家庭料理のビュッフェでお酒もすすむ |
献立は、木曽11宿にちなみ11品。御嶽山をかたどった木曽檜に乗せられた前菜には、千枚蕪、市田柿、凍り大根、と木曽ならではの食材が使われ、美しく盛られている。そのほか、かまどに並び「おごっつお(ご馳走)」コーナーがあり、きんぴら、おひたし、いもがらという木曽家庭料理や大女将お手製の秘伝の漬物が盛られ、ビュッフェ式で自由にいただくことができ、地酒「中乗さん」や「七笑」のお供にちょうどよい。
まさに、旅人が、見て楽しく、いただいて美味しい演出がうまくできている。
そして、満を持してシメに登場するのが「すんき汁」。
赤蕪の葉を刻んで漬け込んだ「すんき」。11月から3月上旬の冬の間だけの木曽の味覚だ |
そのためか、通販では売り切れが続出。「幻の漬物」と言われるゆえんだ。地元の販売店でも品薄になっているという。
すんきは、野沢菜等と同様、冬の味覚。おん宿蔦屋でも、自家製すんきを漬け、冬の間、宿泊客にふるまってくれている。「すんき汁」は、刻みすんきがたっぷり入った酸味の効いた味噌汁で、クセになる味。そのほか、信州サーモンのお造りも、すんきのサラダ仕立てになっている。
木曽でしか味わえない味覚をたっぷりいただき、満腹になった後、デザートは1階のラウンジで。支配人のセンスが光る大人好みの雰囲気のなか、ゆっくりといただこう。
「隠れ宿」なんていうと、ずいぶん高そうなイメージがある。しかし、木曽はもともと、宿場町として栄えた地。山の中なので隠れるには最適だが、値段は決して高くない。それに、「すんき」だ。冬の木曽での滞在は、都会の垢を落としてくれるだけでなく、生活習慣を改めるきっかけとなる伝統食を教えてくれる。
木曽に行くなら、冬がベストシーズンである!
※食事の献立は季節により変わります。
■おん宿蔦屋
住所:長野県木曽郡木曽町福島5162
TEL:0264(22)2010
料金:11,800円~
IN/OUT:15:00/10:00
アクセス:JR中央西線木曽福島駅より徒歩15分(送迎あり)
URL:http://www.kiso-tsutaya.com/
地図:Yahoo!地図情報