全国でどんどん増える「再生旅館」
JRの保養所がフレンチレストランとのコラボ旅館として再生された「ゆふらん」。 |
かつて法人需要(平日の団体旅行)で賑わった温泉の老舗旅館でさえ、近年の不採算性を地域金融機関が支えられず、倒産の憂き目を見るようになってきました。その多くは、人件費がかかる部屋出しが前提の構造であったり、調理人が仕入れを全て仕切っていたり、営業センスがひと昔前のままであったり、共通の理由が見え隠れ。ある程度の栄枯盛衰は仕方ないのかもしれません。
ただ、そうした倒産時の問題は、閉鎖後の建物。
野ざらしにされては困ります。
ところが、最近は・・・
閉鎖旅館を「再生」して蘇らせるケースが目立って増えてきているのです。
保養所の建物を再生したあせび野(伊豆湯ヶ島温泉)や、ゆふらん(登別温泉)。5,250円均一1泊朝食付きの宿として生まれ変わり人気の、四季リゾーツ(箱根など関東近郊)。
あるいは、閉鎖旅館を格安バイキング旅館にした伊東園ホテル(伊東温泉)や、彩朝楽(加賀山代温泉)。
阿寒湖に誕生した「鄙の座」は現代再生旅館のプロトタイプ。 |
さらに、これからも、星野リゾートが手掛ける文化財の宿、白銀屋(加賀山代温泉)や、産業再生機構が取り組むあさや(鬼怒川温泉)ほか日光・鬼怒川の温泉旅館など、現在再生中の宿もたくさん。
そのうえ、私の知る限り、著名なレストランプロデューサーがプロデュースする宿や、外食産業とのコラボレーション旅館なども計画進行中。ゴールドマンサックス証券は星野リゾートと合弁企業を設立し、旅館再生に本格的に乗り出すなど、これから数年間は、再生旅館がどんどん増えそうな気配。倒産しても、新しいタイプの旅館がどしどし生まれ始めているのです。これは、ワクワク!
ますます、日本の宿から目を離せなくなりそうです!
ところで、こうした「旅館再生」のポイント。
いくつかの共通点が見えてきます。
そのポイントは次ページで。