2014年の宿業界のトレンドを大発表!

その前に、少々堅苦しい話題で恐縮だが、その背景となる業界事情についてまず解説しよう。

宿の経営裏事情

トレンド

外資系にとってはジムも大切なファシリティ(遠刈田温泉・竹泉荘)

宿業の最大の特徴はというと、小規模事業者の集合体であり、「チェーン」ではなくそれぞれが独立していることだ。一社一社は、小さな資本で大きな借入れをして事業が成り立っているため、資金調達は金融機関の意思次第となり、実は施設改修はそう簡単ではない。

また、オフ・平日の部屋を埋めるために旅行会社やネット予約会社の力も借りなくてはならない宿も多い。

さらには、地域ではお互いライバルであり、大きな改革をすると村八分にも合いかねない。

このように、宿は常にステークホルダーにがんじがらめとなっており、長きにわたり、ゲーム理論でいう「ナッシュ均衡」状態、すなわち「出る杭になりにくい」状況にある。そのため、意外に新たな取組みが難しい業界なのである。

変わらない業界慣習

一方で、宿特有の1泊2食制という料金制度が陳腐化しつつある。特に、室料に慣れた外国人から見ると、豪華なコース料理の付いた1泊2食料金はものすごく高く見える。さらに、サービス料や持ち込み料、子供料金、一人宿泊料金、心付けの要不要など、消費者サイドから見ると、よくわからない仕組みも多い。

料金制度を改革し、食事をチョイス制等にすれば、連泊もしやすく、リピーターにもなりやすく、ひとり旅も、家族旅もしやすくなると思うのだが、宿側からすると、食事を外されて売上を落とすわけもいかない(返済ができなくなる)し、デファクトとなった商慣習をたった一軒で改革していくこともできないという事情があり、ナッシュ均衡からなかなか抜け出せないのだ。

星野リゾートや湯快リゾートが伸びる理由

こうしたことから、現在、そうした「しがらみ」に関係のない外部資本が参入しやすい状況にある。立ちいかなくなった旅館に資本投下して施設を改修し、中途半端なオペレーション(教育されていないサービス)があればそれを廃し、料金制度を改革しつつチェーン化していけば、新たな市場が拓けることが見えているためだ。星野リゾートも湯快リゾートもそうやって一気に市場を拡大した。

「おもてなし」や「和食」がリスペクトされる現代、旅館ほど体験できる場所はない。まだまだ知られていないだけで、素晴らしいおもてなしや日本料理を体験できたり、個性のある旅館はたくさんある。

2013年に1,000万人に達した訪日外国人も、7年後には2,000万人と倍増が目標とされている。本来、黙っていても集客が増えるはずの期待される業界で、ナッシュ均衡ではもったいない!(改革者が誕生すれば、新たなトレンドは数年で広がるはず)というのが、旅館業界の現状なのだ。

それでは、2014年。日本の宿業界には、どんなトレンドが来るだろうか!? 次ページでは、BEST3を発表しよう!