■ 「一人旅のコツ」 (次頁は「一人旅OKの宿」)
「女性でもひとりで泊まれる宿を教えて下さい」
というお問合せメールをずいぶん受けるようになりました。
確かに温泉宿の料金表示を見ると、どこも「二名様から」。
ライダーやバックパッカーのような一人旅常連組がよく行く民宿やユースではなく「一人旅初心者」でも行ける「ふつうの温泉旅館」が求められています。つまり、見知らぬ人同士の夕食がそのまま宴会になるような宿(笑)ではなくて、浴衣着て、温泉入って、一人でゆっくり本を読んで、散歩して、地酒をちょっぴりいただきながら地元料理を食べられる「ふつうの温泉旅館」。
確かに、むかしは一人旅には偏見がありました。でも最近では経営者世代も変わり、一人旅を受けない旅館のほうが少なくなってきたようです。ダメなんて言っていたら経営できませんからね。
しかし、旅館はホテルと違う事情(例えば和室の場合、多人数入った方が経営上効率的など)があるのも事実。そこで、利用する側がそんな旅館の事情をふまえて賢く予約をすれば、喜んで一人旅でも受けてくれます。そこで、そんな事情も頭に入れ、いくつか一人旅のコツをお教えしましょう。
なるべく平日(もしくは平日を含んだ連泊)を狙う
イールドマネジメントという業界用語があります。例えば、連休など「黙っていても売れる日」の場合「連泊客やグループを優先して取り、単泊や少人数客は直前まで受けない」等という経験則に基き採算性を高める運営手法のことで、ホテル業界では予約担当者用のソフトウェアまであります。この考え方は、日本の旅館でも取り入れられています。そのため、土曜など混みあう休前日の場合、一人旅(もしくは二人旅も)の予約は後回しにされてしまうことがあります。でもそれは、世界中のホテルでも(連泊や旅行会社が優先されるなど)同じこと。残念ですが、その辺は理解してあげるしかないようです。
洋室(添乗員部屋)でもいいというひと言
新しい宿では(おおむね鉄筋の宿は)「洋室」を持っています。昔、団体が来た頃には添乗員さんの部屋として、今ではグループの中で女性がひとりなんていう場合に使っています。そんな「洋室でもいい」というひと言があれば、「一人旅に慣れているんだな」と思われるのではないかなあと、もしかしたらやぶ蛇かもしれませんが、「温泉に入りに行くのが目的ですから添乗員部屋でも結構です」と付け加え予約しています。
「部屋出し」でなく「食事処」のある宿を狙う
食事がお部屋出しの場合、一人旅では「仲居さんとの会話に間が持たない」こともあるし、宿側や仲居さんとしても余り効率がよくないという事情があります(仲居さんは一人で約10人くらいは応対しますので、一人一部屋があると非効率になることがあるのです)。そのため、部屋出しの宿は、一人旅をあまり積極的には受けていない所が多いような気がします(もちろん区別することなく受けている昔ながらの宿もあり)。でも、客が食事に出向いて行く「食事処」のある宿は比較的OK。ホームページでそのへんも調べることができれば、宿選びのコツがつかめてくると思います。