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極上うるか 健康な鮎の臓物は果てなく美味

日本三大急流 球磨川 支流の川辺川は日本有数の清流。その昔は鯖ほどの大きさの鮎が獲れていた、日本有数の鮎の川。長年、受け継がれた秘伝の製法「苦うるか」「子うるか」どちらも美味。

執筆者:萩原 章史

うるか
苦うるかは3,675円、子うるかは2,625円 十分に値打ちあります

日本三大急流の球磨川、支流の川辺川は日本一の清流とも言われます

熊本県八代市に河口を持つ、天下の急流にして清流である球磨川。特にダムが一切ない支流の川辺川は多くの瀬と淵を備えた、天下一の清流です。

ここでは今も川漁師が鮎を専門に漁をし、伝統の食を支えています。
特に9月末から10月末までの一ヶ月、刺し網漁で獲れる落ち鮎は、苦うるかと子うるかと焼き鮎になります。

ひと瓶(60g)の苦うるかを作る為には、何と20~30尾もの鮎の内臓が必要

うるか
ひと瓶に20尾~30尾もの鮎の内臓が使われます
胃袋、腸、肝臓が主な原材料です。調味料は約2割の沖縄の塩のみ。今回、ご紹介する、鮎問屋 より藤のご主人は、これからの落ち鮎の季節、多い日は200kg(約1300尾)もの鮎を扱います。
創業明治三十五年 より藤の三代目の頼藤浩さんが、うるか仕込みの全てを取り仕切ります。

どの鮎もうるかにするのではなく、先ずはうるかにするもの、そのまま鮮魚で販売するものなど、数時間かけて、50名ほどの川漁師から集められた鮎を選別します。

上質な苦うるかは、安い泥うるかとは違い、砂や胃袋や腸に残っている餌をきれいに掃除しますから、非常に純粋な味に仕上がります。

連日、鮎をさばき、内臓を掃除し、甕に漬け込み、秋冬の3~4ヶ月間、毎日、かき混ぜて熟成させます。

最高の酒肴であり、おかずであり、調味料であり、その昔は薬でもあった苦うるか

うるか
子うるかは上質なタラコを塩辛にしたらこんな味?みたいな食感です
内臓で作った苦うるか、そして、卵と白子でつくった子うるか。どちらも、極めて上質な酒肴であり、おかずでもあります。ひと舐めでお酒が『ぐび』、熱々ご飯もどんどん進みます。うるかの語源が、作るのがとても大変で美味なので、『求められても、売るか!』という俗説も十分に納得です。

やはり、一押しは日本酒か……

長年、少なくとも2年以上、寝かせた苦うるかが最高です。
きれいなお箸で時々かき混ぜて、冷蔵保存すると、うるかの角が取れ、複雑にして妖しく、そして麻薬的な味わいになります。新しいうるかを何本か購入して、自分で年々も掛けて育てるのが楽しみです。

もちろん、お子様テーストが好きな方の口には合いませんので、ご了承ください。
決して、万人に受ける味ではなく、大人の熟れた舌にピンポイントで響く味です。

次ページで、うるかを堪能します>>
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