百個もの馬糞うにを使った塩雲丹が4200円!値打ちあります |
日本古来からの究極の酒肴
レトロな箱に入っています |
塩雲丹と呼べば特別のようですが、つまりは馬糞うにの塩辛です。
もちろん、塩雲丹で有名なのは、京都の丹後半島ではなく、越前(福井)です。
越前藩主への献上品、さらには年貢として扱われていたほどの伝統の逸品です。
塩雲丹が作られる理由を考えれば当たり前ですが、真夏が旬のうにを冷凍庫がない時代に保存するには、塩辛にするしか方法がなかったわけで、全国各地に塩雲丹はあります。ということで、丹後半島網野でも、馬糞うにの塩雲丹は作られています。
丹後半島 網野の浜の盛夏 前浜で馬糞うにを獲り、うに小屋で塩雲丹を仕込む
馬糞うに漁で潜るのは女性。男たちは漁の手伝いと塩雲丹作りです。馬糞うにの資源は乏しく、3週間で仕込む塩雲丹は浜全体でも数十キロのようです。
手のひらに5個のるほどの小さな馬糞うに 100個使って100gの塩雲丹が完成
百個分の馬糞うにの卵巣です 卵の数はいったい何粒なのか? |
手のひらに5個も乗るほどの小さな馬糞うにを約100個使って、ようやく、100gの塩うにになるとのこと。途方もない手間が掛かります。
ここまでの作業はどの漁師もほぼ同じようですが、この先は各家のこだわりがあるようです。馬糞うには、紫うになどの他のウニとは違い、水分は少ないですが、完成品の塩雲丹のように固まっているわけではありません。
調味料は塩のみ つまり、原材料表示はバフンウニ、塩、以上です。
微妙な塩梅と水切りの手法、さらに、一日半程度の干し時間と干し方など、色々なノウハウがあり、少しでも間違えると、発色が悪かったり、固まり具合が不十分だったり、カビが生えたりするそうです。そこに各家のこだわりがあります。
新もの塩雲丹 vs. ひねもの塩雲丹
どんな塩辛も同じ傾向がありますが、基本的に新しいもの、時間を経て『なれた』ものは、それぞれに魅力はあります。イカの塩辛であれば、出来たては刺身感覚で香りも強く、それはそれで美味です。また、塩を強めにして、長く寝かせば、それはそれで美味です。塩雲丹もそうです。新ものは雲丹の香りが強く、これはこれで美味ですが、塩がなれていないので、少し角が立ちます。塩雲丹を乾燥させないで、低温で長期熟成させると、まったり感と濃厚さが高まり、熟女的な魅惑が生まれてきます。
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