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鮎魚醤 鮎と塩だけの究極の調味料

鮎の皮のぬめりを取り去り、全てをすりつぶし、塩を加え発酵させる。海産物を原料にした魚醤とは、全く違う芳しい醤 それが鮎魚醤。うまみ成分は一般的な醤油の2倍 和食でもイタリアンでも用途は広い。

執筆者:萩原 章史

鮎魚醤
115ml.で800円ですが、間違いなく価値あります!

入手困難な珠玉の一滴

鮎魚醤
琥珀色した透明感のある鮎魚醤
私が鮎魚醤に出会ったのは、かれこれ6年前。
それは大分県と日田市の合名会社まるはらが、共同で日田特産の鮎を使った新しい商品として開発した試作段階の小瓶でした。

嗅いでびっくり! なめてびっくり!
一般的な魚醤の、ひと癖もふた癖も有るイメージのかけらも有していない、まさに珠玉の一滴でした。

確かに鮎の香りはする。塩気もある。うまみはすごい。
鮎好きはもちろん、幅広いジャンルの料理で活躍する素質は十分に感じました。
残念ながら、当時は生産量が極めて少なく、一般には入手困難でした。
実は今でも入手は順番待ちです。

見た目はにごりがなく、透明度が高い

琥珀色。
まさにそんな表現があっています。薄口醤油くらいのイメージです。そして、香りは非常に上品でほんのりと鮎の残り香がします。

何故、魚醤独特の臭みがないのか?

鮎魚醤
淡水魚の鮎が原料だから芳香を実現
世界中には様々な魚醤があります。原材料はイワシ・イカ・ハタハタ・エビなど、海産物であるのが一般的です。それに対して淡水魚の鮎を使うと、どうしてそんなにも香りに違いが出るのか? 何故、透き通って純粋な味になるのか?

海産物の魚醤を作る際、海産物に共生している微生物たちも、発酵のプロセスに何らかの影響を与えます。それらの働きが、特徴ある魚醤の魅力を生み出していることは間違いないです。この魚醤の癖こそが、多くの食通が魚醤にはまってしまう原因です。

海産物の微生物は海水中に生きているので、魚醤を作る際に加える塩にも耐えることができ、発酵に影響を与えることができます。が、淡水魚の鮎に共生する微生物たちは、塩の為に死滅してしまいます。

つまり、鮎の骨と身と内臓と塩だけで、純粋な発酵をするので、香魚と呼ばれる鮎の魅力をそのままに集約できるようです。

次ページで、鮎魚醤を堪能します>>
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