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夏のうまい肉、ベスト5

本来、肉に甲乙をつけるべきではないが、あえて、暑い夏におすすめの肉を5つ選ぶとすると……

執筆者:萩原 章史

うまい肉は色々あるが。これがおすすめ!

牛肉、豚肉、鶏肉、本来は肉に甲乙つけるものではないが……。
特に暑い季節におすすめの肉、5つを紹介します。

様々なお肉は様々な調理法でその輝きを見せます。霜降りステーキが美味と思う人もいますが、赤身で硬めの肉が好きな人もいます。内臓肉(ホルモン)が大好きな人は確実にいますし、まさに肉食文化、千差万別です。

肉ではないですが、寿司の場合、大トロを好む人も多いですが、実は赤身のづけが好きな方々に、真の寿司好きが多いのも事実です。たまにしか寿司屋に行かない人は「さー大トロだ!」モードですが、しょっちゅう行く人は、意外に青い魚が好きだったりします。

そんな感じで、今回のおすすめ肉は色々な角度からセレクトしました。

5位:北海道産ベイビーラム

ラム
骨付き肉の醍醐味を堪能できます
先ずは羊です。昨今のブームのお陰で、羊食文化が日本にもだいぶん浸透してきました。正確にはマトン・フォゲット・ラム等、色々に種別が分かれる羊肉ですが、肉を純粋に楽しむという点では、北海道産のラム、それもベイビーラムが一押しです。

特にチルドの北海道産ベイビーラムはジューシーで香りも上品。

何と言っても一番美味しい部位は、骨付きのロースからバラにかけての部分です。
この部分は塩焼きでも美味です。特に北海道産のベイビーラムは羊くささとは無縁で、塩コショウだけで、十分に力を発揮してくれます。
ローズマリーなどの香草類はもちろん合いますが、使う量は輸入ラムよりもずっと少なめが良いです。せっかくの羊の香りが香草によって台無しになりかねません。

炭火で焼くのが最高ですが、カンカンにおきた炭火では駄目です。少し灰をかぶった状態くらいまで火勢が安定してから、じっくりと焼くのがコツです。
北海道産のベイビーラムは非常に貴重です。運よく手に入った時は、気の合う仲間を呼んでパーティです。骨をしゃぶり、最後まで堪能できます。

4位:純系名古屋コーチン

名古屋コーチン
肉も美味ですが、内臓はさらに美味!
次のおすすめは、純系名古屋コーチン それもオスです。

一般にデパートなどに流通している名古屋コーチンはメスです。メスの方が柔らかで脂が多く、さらに飼育数もオスの十倍以上なので、どうしても、一般に流通するのはメスになります。

その点、オスは肉質がしまり、赤身の美味さが引き立ちます。特にもも肉の味わいは格別です。上質な赤身は刺身でも最高です。本マグロの赤身を思わせる味わいは、後を引くうまさです。一般流通しないオスこそ、産直で取り寄せる価値があります。

もちろん、内臓(レバー・ハツ・砂肝・きんかん等)が絶品です。鶏くささとは無縁です。
さっと炙る程度。つまりレアが美味です。

3位:豚王

豚王
分厚い骨付きロース グリルが一番!
3番目のおすすめは、豚王という乳酸菌を飼育に多用する豚です。

特にその骨付きロースであるクラウンロースは格別です。分厚い塊の骨付き肉。これをBBQにしたら、本当に楽しめます。
BBQでなくとも、厚手のグリルパンでじっくりと焼けば、その癖のなさとうまみの強さは格別です。非常にストライクゾーンが広い肉と言えます。

もちろん、タンやほほ肉も美味です。

2位:イベリコ豚

イベリコ豚
たっぷりの上質脂 甘くて美味です
何度か記事に取り上げたスペインの極上豚です。それも最高ランクのベジョータ(どんぐりで肥育したレアな豚)の脂、そして赤身、まさに最高にマニアックにうまい豚肉です。最初はイノシシと間違えるかもしれない味の強さですが、この脂と赤身の味の濃さは半端ではないです。

イベリコ豚は古代種の豚です。最近の白豚とは違い、16ヶ月から17ヶ月もの時間をかけて育てますので、肉質は固めですが、その分、脂も赤身も水気が少なく、味が濃いです。

おすすめは分厚いポークステーキです。焼いている最中に、肉から出てくる上質な脂は、ジャガイモやきのこ類に吸わせて、残らず堪能してください。
厚いグリルパンでじっくりと火を入れるか、オーブンでの調理がおすすめですが、石のプレートがあるとなお良しです。

実はイベリコ豚のトントロ これが超美味です。首に近い部分で脂がのり、運動量も豊富な部位なので、これがカリカリに近く焼けば、もう最高です。

1位:飛騨牛

飛騨牛
分厚いひれ肉!特にA3ランクくらいが、厚切りにはおすすめ
一番のおすすめ肉 それは飛騨牛です。

全国の色々な牛肉を食べていますが、やはり、A5ランクでBMS(霜降り度合い)が高い肉は、どの銘柄も美味です。
今回、飛騨牛をおすすめにした理由は、価格と味のバランスです。
飛騨牛は神戸や近江、松坂などと比べて遜色のない牛です。ところが、ブランド力がいまひとつなので、お値段的には最高級ブランド牛肉よりは、少しお買い得です。

最高の霜降りと肉質の証である、A5ランクの肉はもちろんですが、A3、A2くらいのランクで、少し脂が弱いくらいで、実はかえっておすすめです。
特にひれ肉は少し脂が弱いほうが、肉の洗練された味わいを堪能できると思います。

飛騨牛
この肉はA5ランクの最高級飛騨牛のヒレ
室温に戻したひれ肉を両面強火で焼き目を付け、あとは火を弱めてじっくりと焼きます。焼いてから、少し保温して肉汁が落ち着いたら食べ頃です。
柔らかいながらも、しっかりとした牛肉の美味さを堪能できます。特にヒレは分厚い塊で焼くのがおすすめです。肉汁を閉じ込める。香りもうまみもその中に凝縮します。

また、テールや内臓肉もかなり美味です。変わったところでは大動脈(心ズルなどと呼ばれます)。関東ではあまり食しませんが、関西では焼肉屋のレアなメニューです。
こりこりした食感、格子に包丁をいれ、焼いても煮ても美味です。

色々な肉をご紹介しましたが、最後は個人の好みです。TPOや予算でお好みのお肉を堪能してください。

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