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絶品のうに飯とカラスミパスタ

主食と酒肴の境界線から、少し酒肴側にはみ出た2品。うに飯。そのおこげの雑炊も絶品! カラスミとペコリーノ・ロマーノをたっぷり使ったパスタ。塩気に煽られ、ワインが止まりません。

執筆者:萩原 章史

カラスミ
カラスミとペコリーノ・ロマーノにまみれたパスタは極上酒肴


ワインが止まらない、ウニ飯とカラスミパスタ


誰が決めたわけではないのでしょうが、一般的に酒肴と主食は別物と決まっています。今回ご紹介するメニューは、鹿児島の阿久根で獲れた雲丹(うに)とカラスミを使った、酒肴と主食の限界線メニューです。

もちろん、個々の素材は酒肴として抜群ですが、これに炭水化物が加わっても、なおまたぐっとくるメニューになります。

先ずはウニご飯です。

ウニ
極上の紫雲丹を海水で味付けした絶品
味付けはシンプルに尽きます。その代わり、羽釜を使って炊き、敢えておこげを作ります。そのおこげを干して、芳ばしい雑炊風の一品も楽しみます。もちろん、うに飯が美味なのは言うまでもないです。

雲丹(うに)は無添加の海水漬けです。つまり、雲丹と海水だけです。これを瓶の半分ほど入れて炊き、蒸らしの時に残りの半分を入れるだけです。
他に必要なのは、昆布と鰹節の出汁、少量の塩と醤油と日本酒です。
今回は2合の米で炊きました。

ウニ
惜しげもなく雲丹をたっぷりと投入
作り方はとても簡単です。米は研いで浸水しておきます。

羽釜に浸水した米を入れ、2合のお出汁、日本酒大さじ1、醤油小さじ1、塩をひとつまみ入れ、雲丹を半分くらい入れます。
羽釜を強火にかけ、5分くらいで沸騰したら、出汁がこぼれないくらいに火を弱め、そのまま10分ほど炊きます。
「カタカタ、しゅーしゅー」と小気味よい音と、立ち込める飯と出汁と雲丹の香りが、食欲をそそります。

ウニ
炊き上がった、うに飯にさらに雲丹を投入
「カチカチ」と米の音がしてくる頃には、釜からの湯気は少し芳ばしくなってきます。
ここで、30秒ほど強火にして、最後の水分を飛ばし、弱火に落とし2分ほど待ちます。
ここで、ふたを開け、残りの雲丹を入れ、極々弱火で5分ほど蒸らします。
※時間はあくまでも参考です。一番確かなのは、湯気のにおいをかいで判断することです。

再度、ふたを開け、ご飯と後から入れた雲丹をかき混ぜ、ふたをして、火を止め、さらに5分ほど蒸らします。この時、後から入れたウニがご飯をコーティングします。

ウニ
きれいにはがれたおこげ、軽くあぶって醤油を塗っても美味!
羽釜が少し冷めないとおこげが取れません。

恐らく、鍋の金属の収縮の為だと思います。鍋の温度が下がるとおこげがはがれやすくなります。
先にうに飯をとりわけ、おこげを慎重に釜から剥がし、ざるにのせて風乾させます。

うに飯がとても美味なのはもちろんです。刻み海苔をかけても良いですが、そのままでも十分に美味です。


絶品のウニご飯のおこげを使った爽やかな雑炊

ウニ
長く煮込むと、本物の雑炊になってしまうので注意
お出汁に塩と梅干を漬けた時の紫蘇で味をつけます。梅の酸味が食欲と飲欲をそそる一品です。紫蘇の代わりに梅干でもOKですが、甘い梅干は駄目です。

おこげを後から入れて、ひと煮立ちさせ、ざく切りのワケギを入れて出来上がりです。
※長く煮ると、酒肴ではなく、本当の雑炊になってしまいます。

雲丹の香りが漂う、芳ばしいおこげの雑炊。これは冷酒に合います。焼酎のロックにも良く合います。特に夏場は冷たいもので胃腸が弱りますので、絶好の一品になります。梅の酸味、こげの苦味、うにの濃厚さ、お米の甘み 渾然一体となり絶妙です。

次ページで、濃厚なカラスミと濃厚なチーズのパスタを堪能します>>
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