立派な鮑は他の貝とは違い、圧倒的な威圧感があります |
極上の鮑を使い、シンプルな蒸し鮑を作る
日本人が貝好きであることは、どなたも異論のないことだと思います。海に囲まれた島国で、その昔は干潟や砂浜が多く、伝統的に日本人の食文化には貝は欠かせないものになったのは、自然の流れだと思います。
その中でも鮑(あわび)は別格です。だいたい、漢字が違います。
蛤(はまぐり)・栄螺(さざえ)・蜆(しじみ)、他の貝類の名前は格が落ちます。
その鮑、神饌の主役の一角を占める、古来より珍重されてきた素材です。
最近は調理時間が掛かる、伝統的料理が敬遠され、そのまま食べられ、鮮度を強調する料理が多いです。例えば、寿司屋でも鮑を刺身で出すところが増えました。私見ではありますが、やはり、蒸し鮑の方がずっと寿司に合うと思います。
極上の鮑を求めること
肉厚で元気な鮑を使うのがこつ |
先ずは良い鮑を求めること。
刺身の場合は、あら塩をたっぷり使って、鮑を磨きますが、蒸しの場合はそのまま、亀の子だわしで、鮑の汚れを落とします。
肝(正確には肝臓と卵巣または精巣)を傷つけないこと
指先に見えるのが肝です |
もちろん、ナイフなどでも出来ますが、殻のカーブがあるので、しゃもじのようなものが良いです。また、刃が付いていると、力が余った時に手を切りますので、刃のあるものはNGです。
丁寧に、本体と肝を分離する
夏が旬の鮑 肝も大きく育っています |
これが鮑の口 コリコリしています |
新鮮な鮑は肝も美しく光ります |
※肝は痛みやすいので、必ず先に冷蔵庫にしまいます。
本体だけになったら、再度、亀の子だわしで磨きます。自宅で食べるのであれば、それほど神経質になることはないです。だいたい、汚れが落ちれば十分です。
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