日本各地には、まだまだ素晴らしい伝統野菜が残されています。
今回ご紹介したいのは、極上の里芋です。山梨県中巨摩郡竜王町の西八幡地区でしか採れない、200年以上の伝統を持つ『やはたいも』(八幡芋)です。

里芋
これが竜王町の名産 やはたいも


約450年前、武田信玄が治水事業に乗り出すまで、甲府盆地一帯は大雨のたびに、釜無川の氾濫に大変苦しめられていました。信玄堤が築かれてから、釜無川の氾濫は減り、甲府盆地は人々が安心して暮らせる土地になりました。しかし、減ったとは言え、度重なる水害で農民の生活は困窮し、商品作物としてサトイモが栽培されるようになったのが『やはたいも』の原点です。
特に八幡地区は長年の洪水により、肥沃な砂地土壌が堆積し続けた為、治水が良くなると、一転して素晴らしい田畑に変わったのです。

野菜の色・味・形状などは、もちろん、種の違いによる要素が大きいですが、実は栽培する土地で味や風味や色が異なってきます。他の地域から種や苗を移植しても、うまく根付かないのは、やはり、それぞれの植物にはそれぞれの適性があるからです。

『やはたいも』を自宅で栽培したら、美味しいサトイモができるか?それはNOです。八幡地区固有の様々な自然の要素と栽培技術が複合して、美味しい『やはたいも』になるのです。

『やはたいも』の見た目は?

特に石川早生や静岡早生種のサトイモと違いません。大きさは大小ありますから、あまり比較しても意味はありません。今回は小ぶりなものを選びました。
面倒くさいと、大きなものを選ぶ方がいますが、サトイモは絶対に小粒がうまいと思います。あくが少なく、ツルッという食感は小粒でないといけません。最近は何事も『面倒くさい』とおっしゃる方が多いですが、そこに手間(プロセス)があるから、美味しいのです。

里芋
見た目は普通の里芋と変わりなし


シンプルに蒸す

先ずはシンプルに蒸して食べてみます。

皮をむくと、色白で木目細やかな肌が現れます。これは他のサトイモとは違います。一口食べてみると、『 しっかりした食感なのに、口中で絶妙に融ける具合と、歯にまとわるねっとり感がいい 』とでも言いましょうか。
食べた感じ、『煮ても、しっかりと芋の主張を忘れない芯の強い芋』と思いましたので、思い切って、和風のカレーに仕立ててみました。具は『やはたいも』のみで、お出汁とトマトと島唐辛子の素質をしみこませて仕上げます。
里芋
皮をむくと純白な姿が現れます


さて次は、いよいよ里芋をカレーに仕立てます>>