城ヶ島の磯に降る雨の色に例えられる利休ねずみ(りきゅうねずみ)、それをちょっと明るくした利休白茶(りきゅうしらちゃ)、この2色はうすーい黄緑で、利休ねずみが「かすむ」感じだとしたら白茶が「澄む」感じ......
だけど、とても似てるこの二つの色を分けて名付けた江戸時代の人達の感性は、なんとたおやかなことでしょうか..
白茶をもっと鮮やかにした若苗色(これも素敵な命名でしょ)洋名はレタス.グリーン(現実的で解りやすいですね)このレタス色は、きゅうりの緑、レモンの黄色、トマトの赤、揚げ物の茶色...何れもよく映えます。
色彩にすごくこだわる日本料理とは反対に、フレンチはあまり食材そのものの色にこだわりはないようです。
日本人は林檎の赤とか青菜の青をとてもとても大事にして料理にもできる限り生かそうとしますが、フレンチの場合は違っていて、林檎は皮を剥いて煮るものだし、青菜も同様で、素材の色には執着しないということです。(永田辰三・フレンチの色参照)
日本人が西洋人の家庭に行って、ちょっとしたサラダ等を作ってあげるだけで、その包丁使いの軽やかさと色彩感覚の素晴らしさに感嘆の声が上がるそうです.....大事にしたいですね、私達の祖先から受け継いだ感覚を。