●ボツリヌス菌(2時間から8日間の潜伏期ののち、口のかわき、眼けん下垂、手のしびれ感、腹痛、嘔吐、発熱などをおこし、その末期には呼吸まひをおこして死亡する)毒素は、80℃、30分以上の過熱により無毒化されますが菌が芽胞をもつので、<つまり加熱が不完全だとまた復活する>家庭で作る”缶詰め”や”いずし”は充分な注意が必要です。無酸素で発育する!
●サルモネラ菌(8時間~72時間の潜伏期間ののち下痢、赤痢に似た症状、腹痛、全身倦怠、発熱38℃~40℃)食品を充分加熱すれば大丈夫<復活しない>
日本の中毒史上、特筆すべき事件に浜松の大福もち事件があります。昭和11年運動会で配られた大福もちで生徒、その関係者約3,000名のうち、患者2,201名、死者44名。大福餅屋が能力以上の”あん”を作り保管場所が確保できなくて”あん”をむきだしにしておいたためねずみにより汚染され、菌が増殖してしまったのが原因。
●ブドウ球菌(化のう菌で、熱に強い、菌が死んでも毒素が残る、症状は比較的軽い、潜伏期は食後1時間~4時間)食べ物を煮なおしても危険!冷蔵庫内では増殖しないが出して室内に置けば増え出す。仕出し弁当の食中毒事件で原因がご飯の上に乗ったゴマだったことがありました<化のう菌が付着した指でゴマをつけた>
●腸炎ビブリオ(食塩水の中で増殖する。夏に多い。胃ケイレンのはげしい症状)真水で死滅するのでよく洗うことがたいせつ。魚を調理した後のまな板や包丁、フキン、あるいは海産物をさわった手から二次感染が行われます。たとえば魚を調理した後よく洗わず漬物を切るのは火に油状態、厳禁!
●病原性大腸菌(代表的な菌O-157が原因の北海道の”イクラ”事件は記憶に新しい。)
以上の他にも細菌性食中毒の病原菌はあります。最近問題になったもので集団給食での食中毒の原因になったウェルシュ菌もそのひとつです。
≪細菌性の他にも以下のような原因で食中毒が発生します≫
●動物性自然毒(ふぐ、イシナギ、毒かます、貝類、他)
●植物性自然毒(きのこ、とりかぶと、他)
●化学物質(ひ素、鉛、水銀、不良添加物、農薬、他)
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<関連サイト>
・名古屋大学小児科『病原性大腸菌O-157情報』のサイト
・食品衛生の館『食中毒菌を防ぐ為のアレコレ』
・あらゆる食中毒菌の詳細が解る『知ろう!防ごう!食中毒』のページ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。