庭木の植え方
<目次>
あなたの庭の現状は?
まず、今現在あなたのお庭には木が植わっていますか?まったくの更地、これから庭を作るという方は、この項はサラリと読み流して次ページに進んでも結構です。それ以外の方はきっと既に庭があって、何らかの木が植えられているという状態だと思いますが、さてその木は残して更に木を植えたいですか?それとも違う木に植え替えたいと思っているのでしょうか?
庭に木を植えたいと思ったとき、まずは自分の庭の現状を知っておく必要があります。 スペースに余裕があり、既存の木を残したまま新しい木を植えるというなら、次ページの樹種選びに進んでいただいてOKです。ただし、既存の植物との調和をとることは、頭に入れておきましょう。
既存の木を処分する場合
木を掘り上げる前に、枝を切り落としておく |
低木で幹も細い木なら女性でも自分で作業が可能です。まずは作業に邪魔な枝を剪定鋏で刈り込みます。 作業しやすい状態になったら、幹周りにスコップを突き立てて太い根(支持根)を切ります。根張りの大きさは、だいたい枝張りに比例すると考えていいでしょう。
1.根張りの見当をつけて、スコップを立てて根を切る | 2.体重をかけてスコップを深く突き立て、掘りおこす |
次に人の背丈くらいある木の場合、幹があまり太くないものであれば、少し時間はかかりますが上記と同じようにして掘りあげることができます。枝を落として主幹(中心の幹)も半分くらいに切り詰めておくと作業がしやすくなります。
木を掘りあげたら、土中に残った根もできるだけ取り除いておきましょう。次に植える植物の根張りを妨げずにすみますよ。
問題は年数が経ち、背丈も幹周りもある木です。こうなるとノコギリを使っての作業も困難になってきます。力自慢の男手が数名確保できるなら何とかなるかもしれませんが……。一般家庭でチェーンソーを持っているお宅も珍しいでしょうし、根の処分も大変。となると、最終的には業者に依頼することになるでしょう。
その際は見積もり段階でどこからどこまでを依頼したいのか、つまり木の処分だけをお願いしたいのかその後の樹種選びや植樹まで依頼したいのか、内容をしっかり伝えておくことが後々のトラブルを防ぐことになります。
なお蛇足になりますが、古来より木には精霊が宿ると信じられています。成木を処分する際は、御神酒と塩を木の周囲にふりかけてお清めをしてから行うと良いでしょう。何となく申し訳ないような気持ちも落ち着くと思いますよ。
庭木を選ぼう
リンゴなど果樹も魅力的だが、小さな庭では枝張りがスリムな品種を
木を選ぶとき、花や紅葉を楽しみたいとか、実がなる木が良いとか、基準は人それぞれでしょう。でも、一番のポイントは、地域の気候や環境にあった木を選ぶということです。前頁で述べたように、処分するには相応の労力が必要になるので、そうちょくちょく植え替えられるものではないからです。
単に花が可愛いから、実がなるからと闇雲に木を植えると、後で大変なことになってしまいます。ですから、樹種選びにはじっくりと時間をかけてほしいのです。
どんな場合も忘れてはいけない点は、「どこに」と「どんな目的で」木を植えたいのかということを明確にしておくことです。
例えば「勝手口前に目隠しに」というのであれば、常緑のヒバの類や落葉してもあまり透けないドウダンツツジなどを、「玄関前にシンボルツリー」をというのであれば株立ちの姿が美しいハナミズキやナツツバキ……というように、植え場所と目的によって樹種を絞り込んでいくことができるからです。
具体的な樹種選びについては、リンク集庭木・花木の種類と育て方も参考にしてみてください。どんな木が地域の気候にあっているのかは、ご近所のお庭が参考になるはずです。 また苗木を取り扱っているお店であれば相談に応じてくれるはずですから、お店の方に一声かけてみてはいかがでしょう。
庭木の植え方
植え穴は、根鉢よりも大きく掘る |
まず植え穴を掘ります。穴の大きさは、根鉢の直径の1.5倍くらいを目安にします。穴を掘ったとき、石などのガラや古根があったら取り除いておきましょう。
次に、植える木の向きを見ます。木にも「顔」があって、何度か向きをかえて離れてみると、「ここが正面だ」という所が見つかるはずです。正面が見つかったら、植え穴に木を置いてみましょう。
埋め戻す土には、腐葉土や堆肥などをすき込んでおこう
盛り土で水の流出を防ぐことで、根に水分がしっかり浸透する |
この状態で木を軽くゆすって植え穴全体に水をいきわたらせたら、樹の向きを再度確認して残りの土を埋め戻し、株の周囲を踏み固めます。
最後に株の周囲に高さ10cmほどの土盛りをして「水鉢」を作り、たっぷり水を注いで一連の作業は終わりです。
※木を植えてから支柱を差し込むと、根巻きに刺さって根を傷めることがあるので注意しましょう。また、幹に直接縄を掛けたりすると、強風時などで擦れて幹が痛んでしまいます。保護用の杉皮や幹巻きテープ等が売られていますので、その上から縄などで固定するようにします。
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