ガーデニング・園芸/植物の種類と育て方

ラベンダーの香りに魅せられて…

育てる、見る、食べる、香る、癒される…そんなハーブを暮らしに取り入れてみませんか?今回はハーブと言えばまず思い浮かぶ定番中の定番、ラベンダーについてご紹介します。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

香りの女王ラベンダー

ラベンダー
ラベンダーの群生
日本でHerb(ハーブ)と言う言葉が一般的になったのは、このラベンダーの功績ではないかしら?と思うほど、ハーブと言えばまずラベンダーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?私がハーブという存在を知ったのも、このラベンダーが最初でした。

さて、このラベンダーにはどんな逸話が隠されているのかしら?と思いきや、語源はラテン語の「ラヴァレ(洗う)」からきており、古代ローマ人がラベンダーを入浴の際に使用していたことに由来する……ということで、残念ながらロマンチックなお話はありませんでした。べつにロマンチックなエピソードなどなくても、ラベンダーはリラックス効果に優れたその芳香で、多くの人に好まれるハーブですよね。
ラベンダーのデータ

ラベンダーのデータ


ラベンダーの種類

一口にラベンダーと言っても、交配種など数多くの品種が存在します。主にその形状などから、次のようなグループに大別され、それぞれ耐寒・耐暑性など性質が異なります。
  1. スパイカラベンダー
    ラベンダー
    スパイカラベンダー
    * コモンラベンダー Lavandula angustifolia 一般にイングリッシュラベンダーと呼ばれるもので、耐寒性が強く香りが良いのが特徴です。代表的なものにヒドコートラベンダーがあります。また、北海道富良野のラベンダー「おかむらさき」もこのグループです。
    * スパイクラベンダー Lavandula latifolia 原種ラベンダーで、葉の幅が広くて花茎が長く、花よりも萼の方が目立つのが特徴です。コモンラベンダーより、耐暑性があります。
    * ラバンディン系 Lavandula×intermedia. コモンラベンダーとスパイクラベンダーを交配したもので、両者の性質を受け継いでいますが、不捻性(種ができない)であることが多いのが特徴です。コモンラベンダーより耐暑性が強く、代表的なものとしては、グロッソラベンダー、スーパーセビリアンブルーなどがあります。
     
  2. ストエカスラベンダー
    ストエカスラベンダー
    リボンをつけたような、ストエカスラベンダー
    * ストエカス系 Lavandula stoechas 一般にフレンチラベンダーと呼ばれる系統で、主に観賞用として親しまれています。耐暑性は強いのですが、耐寒性は劣り、花穂の上に大きな苞がリボンのように付いているのが特徴です。 他に、エンジェル、フェアリーウィング、緑がかった白の花色が特徴のヴィリディス、などもこのグループです。
     
  3. デンタータラベンダー
    デンタータラベンダー
    デンタータラベンダーは四季咲き性がある
    * デンタータラベンダー Lavender dentata スペイン、地中海沿岸原産で、葉の鋭い切れ込み(鋸歯)と四季咲き性があるのが特徴です。 本種は耐寒性が劣りますが、日本で改良された「スーパーサファイアブルー」は耐寒・耐暑性に優れ、日本全国で栽培できます。
     

  4.  
  5. プテロストエカスラベンダー
    プテロストエカスラベンダー
    レースラベンダーとも呼ばれるプテロストエカス系
    * プテロストエカス系 Lavandula pterostoechas 葉に深い切れ込みがあるのが特徴で、一般にレースラベンダーという名前で市販されています。 代表的なものとして、ピナータ、マルティフィーダがあります。
あなたのお住まいの地域の気候に合うラベンダー、好みのラベンダーは見つかりましたか? さあそれでは、さっそくラベンダーを育ててみましょう!

次ページはラベンダーの育て方、殖やし方です!

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