毎年恒例、この時期になると取材にご協力いただいてる「ひっこし110番」。毎年1000件近くもの引越し相談に対し、中立的な立場からアドバイスを行っています。一体どんな相談が寄せられるのか。数々のアドバイス経験を持つベテラン相談員の方に、この一年間で寄せられた相談内容を振り返っていただきました。

もっとも多いのが「作業」そのものの不満!

毎年のことながら、相談で多いのが業者に対するクレーム。主なクレームは、作業内容に対するもの、追加料金の請求やキャンセルの対応など。その中でも1位にランクされたのが作業に対する不満だそうです。ベテラン相談員の方に伺ってみました。

「クレームの王道といえば、作業のずさんさそして、作業中の暴言ですね。『そんなもの、できるわけねえだろうー!』『うるせえなあ!』などの強い口調での物言い。売り言葉に買い言葉の場合もあるのでしょうが……。こんな言い方をされたら、誰だって心中穏やかになれないですよね」。引越し作業中もお互いイヤな感情を抱いたまま、こんな状況では丁寧な作業など望めそうもありません。

遅刻ってどれぐらい?

引越し、時計
時間は刻々と過ぎていく
次にあげていただいたのが時間を守らない、といったクレーム。「作業時間を遅刻するといっても30分や1時間の話ではないのですよ。午後に行きますといって、夜の10時ごろ来るといったもの。もっとひどい場合には現場にとうとう現れなかったケースも報告されています。」

来ない理由を伺ってみると、「まあ、定かではありませんが、小さい引越しを受けてしまったけど後日大きな案件が来た。だから、何も言わず小さい引越しをキャンセルしちゃえ、ってこともあるかも」。真偽のほどはいざ知らず、この程度のモラルの低い業者も存在するよう、注意が必要です。

養生だって要注意!

引越し、エントランス
養生をしないなんて!ありえないと思うのですが……
最近の気になる傾向として、作業員の質の低下を指摘する声も。理由としてあげられるのが、派遣会社からの労働力の確保が難しくなっていること、またノウハウの継承が行われていないのでは、という見方をする人もいるようです。
「正社員が絶対いい!という声もあるようですが、引越し作業に精通しているものであれば、大きな問題はないと思うのです。」経験を積んだ作業員であれば、的確な指示ができるし、運搬に関するノウハウがあるのでミスも少ないとのこと。一方、経験の浅い作業員だけが集まると、ずさんな引越しが繰広げられる結果に。

「養生(建具や扉にキズがつかないように、シートなどで予め保護をすること)にしても経験がいります。」相談員さんはこう続けます。「経験がない作業員がやれば、粘着力の強いテープでそこらにシートを貼り付ける。これがトラブルの原因になるのです。はがすついでに壁に跡を残したり、化粧板の表面まではがしてしまったり、とキズをつけてしまう恐れがあるのです。」

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