● 日本の名作を読む ● 「名作とか文豪なんてつまらなそう」と思うかもしれませんが、今も昔も人々の興味関心は男女の仲。決して難しいことはありません。 こころ 夏目漱石(著) 文庫本 新潮文庫 \324 ISBN: 4101010137 書生である「私」が慕う先生は、美しい奥さんと二人でひっそりとした暮らしをしていました。何かと「私」を気にかけてくれるのですが、いくら聞いても奥さんとの馴れ初めだけは話してくれません。そんなとき、「私」の父が病気になり、実家に帰ることになりました。そこに届いた一通の手紙。奥さんとの馴れ初め、友人Kについて書かれており…。 学校の教科書にも採用されている作品ですが、「当時は意味がよくわからず記憶にも残っていない」という人も多いのでは。大人になった今こそ、この作品に描かれる「こころ」がわかるようになっているはずです。先生が選んだ結末は、ぜひ本の中で確かめてください。 痴人の愛 谷崎潤一郎(著) 文庫本 新潮文庫 \514 ISBN: 410100501X 河合譲治はカフェで出会った給仕係の少女・ナオミを引き取り、理想の女に育て上げようとします。はじめのうちこそ仲むつまじく生活していた二人でしたが、日に日に成長し魔性の女として目覚めゆくナオミは家出や浮気を繰り返すようになり、いつの間にか二人の支配関係は逆転してしまいます。 明治文学、悪魔主義、耽美派などと小難しい言葉を使うと読む気をなくしてしまいますが、まさに男女の理想や嫉妬、執着、エロティシズムが描かれています。こんな官能的な作品から、文学の世界に入っていくのもワルくないかも。 | |||||
== 関連サイト == 熊本漱石館 英語の嘱託教員、教授として過ごした熊本での漱石について、年譜などが掲載されています。 芦屋市谷崎潤一郎記念館 『細雪』の舞台・芦屋市にある谷崎潤一郎記念館のサイト。年譜や展示のスケジュールなどが掲載されています。 | |||||
● エッセイを読む ● 他の人がどんな日常生活を送っているのか、どんなことを考えているのか、気になることありますよね。自分らしく楽しく過ごすひとり暮らしの女性のエッセイを紹介します。 結婚しても、しなくても 岸本葉子(著) 単行本 マガジンハウス \1,400 ISBN: 483871095X 岸本葉子さんの著作は、独身女性のひとり暮らしや日常生活がテーマの中心。かといってファッション雑誌に出てくるようなオシャレで誰もが憧れる生活をしているわけではなく、しかし、こだわるところには徹底的にこだわりお金や手間を厭いません。そんな自分らしさを大切にした生活に、ひとり暮らし女性ならきっと共感を抱くはずです。 その他にも『やっぱり、ひとりが楽でいい!?』(講談社プラスアルファ文庫)、『ひとり暮らしのおいしいキッチン歳時記』(PHPエル新書)、『マンション買って家づくり』(文芸春秋)など、ひとり暮らしなら思わず気になってしまうようなタイトルがたくさんあります。 こんな生活 太田垣晴子(著) 単行本 メディアファクトリー \1,000 ISBN: 4840105103 人気画文家・太田垣晴子さんのひとり暮らし生活を綴ったイラストエッセイ。ふと気がつくと独り言をしゃべっている自分に寂しさを感じたり、古くて殺風景な部屋でも値の張る骨董のちゃぶ台を置いていたり、窓辺でウクレレを弾いてみたり、朝食のみそ汁だけは毎朝手作りをしていたり。思わず微笑んでしまうような、ほのぼのひとり暮らし生活が紹介されています。 寂しさもひっくるめて、マイペースなひとり暮らしをする。頑張りすぎず、気を抜きすぎず。イラスト満載で読みやすいこの本は、休日の午後にベッドの上にひっくりかえりながら読むのにぴったりです。 | |||||
== 関連サイト == 岸本葉子ノート 読書WEBドルフィンホテルのコンテンツの一部。岸本葉子さんの作品リストがあります。 オオタガキ セイコ ホームページ 太田垣晴子さんの公式ホームページ。書籍案内や四コマ漫画、絵日記などがあります。 | |||||
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