生き物の価値はみんなおんなじ!
バリーを助けたとき、叩き潰そうとしていた男性に聞かれてヴァネッサが「ハチも人間も命の重みは同じ」というようなことを言います。このシーン、しっかり観てくださいね。この男性みたいな勘違いは、絶対しないで欲しいと思います。ちょっと前に、白鳥がバットだか木の棒だかで殴り殺された事件がありました。生き物の命の重みがみな同じだと知っていたならば、こんな事件を起こすことはなかったのではないかと思います。この事件に関しては、加害者の想像力の無さを指摘している新聞記事もありました。映画を観るだけでは想像力は鍛えられないと思います。映画を観たあとに、映画の内容について話し合い、想像力を鍛えてください。
「ビームービー」を親子で観た方は、どうぞ観終わったあとに映画の内容について親子で話し合ってください。もしミツバチと会話ができたとしたらどんなことを話したいか、ミツバチはどんなことを言ってくると思うか、なぜそう思うのか、ミツバチと友達になりたいかなどなど、いろんな質問をすることができますので、子供に想像し、考える機会を与えてあげてください。親が話しを膨らましながら質問していけば、きっと子供の想像力は鍛えられるでしょう。
また、仕事の分担がはっきり分かれているミツバチの世界は、子供と仕事について話し合うきっかけも与えてくれると思います。若いうちは、誰もが花形職業に憧れるものです。でも、地味な仕事であっても自分だけにできる仕事というのがあり、憧れの職業に就くことよりも、自分だけにできる仕事を見つける方が大切なことがあります。「ビームービー」について話し合うときに、お父さんやお母さんの仕事についても教えてあげるといいのではないかと思います。
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昆虫に感謝しよう!
普段、どこでどう作られているのか深くは考えずに購入しているであろう蜂蜜。でも、蜂蜜を集めているのは人間ではなく、ミツバチです。ミツバチ無しではあんなに多くの蜂蜜は集められません。庭や公園、学校などで咲いている花。これらの花の受粉を手伝っているのは、人間ではなく、ハチなどの昆虫です。昆虫が蜜を吸うついでに花粉をほかの花に持って行ってくれるから、花は受粉することができるのです。中でもハチは、野菜や果物を育てている農家で受粉をする仕事をするために飼われているものもある働き者です(注:トマトなどの受粉を手伝うセイヨウマルハナバチは特定外来生物に指定されているため、許可を得た方でないと飼うことはできません)。
カブトムシやクワガタムシを喜ぶ人はいても、ハチを喜ぶ人はまずいません。ほとんどの人がハチを見ると怖がり、逃げたり、退治しようとしたりします。でも、ハチが意味もなく人間を攻撃してくることはありません。私たちが何もしなければ、ハチも何もしてこないものです。多くの人が騒ぎすぎているように思うことがあります(ハチに対するアレルギーがあり、アナフィラキシーショックを起こすおそれのある方は騒いで当然ですので、ハチを見たら逃げて正解です)。
冒頭に書きましたが、今我が家はクマンバチの季節です。何十匹と庭の樹にやってきて、蜜を吸いつつ受粉させてくれています。クマンバチは大きなハチなので、怖がる人も多いようです。でも、オスは針を持っていないなど、攻撃に不向きなハチです。
「怖い」というイメージが先行しているハチですが、ハチたちのおかげで私たちが豊かな生活をおくれているのは事実です。「ビームービー」でミツバチが私たちにしてくれていることを学び、ちょっとだけでいいですから、昆虫にも感謝してください。特に蜂蜜を食べるときには、感謝を忘れないでください。
-> 養蜂場で働くハチたち