人間にもテリトリーはある
心理学者やカウンセラーを生業とする人でなければ、自分のテリトリーを意識して行動することはないのかもしれません。でも、気がつかないうちに、私たちは自分のテリトリーを感じています。私たちは、自分のまわり50cm ~1mぐらいを自分のテリトリーと考えています(パーソナルテリトリーとかパーソナルスペースと呼ばれます)。初めて会う人が、喫茶店などであなたの隣に座り、手帳やタバコなど自分の持ち物をあなたの手のすぐ横に置いたとします。このとき、テリトリーを意識していなくても、私たちは自分のテリトリーを侵害された気分になります。
相手がよく知る人であったり、好意を持っている人であるならば問題はないかもしれません。でも、初めて会ったよく知らない人の場合には、自分のテリトリーを侵害されることで、相手を警戒してしまったり、相手に対して悪い印象を持ってしまったりすることがあるようです。
ペットにとってのテリトリーとは?
私たちよりもテリトリーを意識しやすいペットにおいては、自分のテリトリーを侵害する相手を警戒するだけでなく、追い出そうと攻撃することも少なくありません。また、追い出せずにいつまでもテリトリーを侵害し続けられてしまうと、それがストレスとなり、体調を崩すこともあります。「新しいペットを迎えたとき、無理に触らず、覗かず、ペットの気持ちを尊重してゆっくり仲良くなりましょう。」といろんなところで言われる理由の1つがテリトリーです。無理に触ったり覗いたりすることでペットのテリトリーを侵害してしまうと、ペットを警戒させ、仲良くなるのを難しくしてしまうことがあるからです。