小動物/昆虫の飼い方

昆虫の擬態(2ページ目)

昆虫の魅力の1つであり、個人的にとても魅せられている「擬態(ぎたい)」について、紹介したいと思います。

執筆者:村田 亜衣

隠蔽的擬態をする昆虫

コノハムシ
この画像の中に昆虫がいると言われても見つけられないかもしれません。
隠蔽的擬態をする昆虫はすごく身近なところにいます。たぶん誰もが1度は見たことのある、しゃくとりむしナナフシなどです。注意して見ないとそこにいることもわからないため、突然見つけて驚くこともあるかもしれません。

枯葉に似たコノハチョウカレハガなど蝶の仲間にも隠蔽的擬態をする昆虫は多くいます。緑の葉の中にいるときや白い壁にとまっているときなど、背景と合わない場所にいるときは簡単に見つけることができるでしょう。

標識的擬態をする昆虫

コノハムシ
でも、中央左にはコノハムシが隠れています(あと2匹見えているんですが、写真が小さいのでわからないかもしれません)。
標識的擬態には毒のある昆虫に似せる擬態が多く、そのせいかハチに似ている昆虫が多くいます。身近なところではアブ。ハチのように毒を持ってはいませんが、ハチに似た身体のために鳥などから狙われずにいます。

また、スズメバチに似せた擬態をするトラカミキリのように、針がなくても針を刺そうとする動作を行う者もいて、見た目だけでなく行動までも似ている昆虫もいます。なお、カミキリムシは日本国内に700種以上生息していると言われており、日本一美しいとも言われるルリボシカミキリや蛍に似せたホタルカミキリなど、さまざまな擬態をしている仲間がいますので、探してみると楽しいでしょう。

蝶の仲間では、毒を持つ蝶と羽の模様や飛び方を似せた擬態をする蝶がいます。代表的なものは、カバマダラに似せたメスアカムラサキやアサギマダラに似せたキボシアゲハなどでしょう。

捕食のための擬態をする昆虫

ハナカマキリの1種
芸術とも言えるハナカマキリの擬態です。ちなみにお食事中です。この素晴らしい写真は、Igor Siwanowicz さんが撮影したものです。
捕食をするための擬態は「攻撃擬態」「ペッカム型擬態」と呼ばれます。代表的なものはカマキリです。

日本国内では枝や葉に擬態するカマキリの仲間しかおりませんが、外国には花に似せたハナカマキリや枯葉に似せたカレハカマキリなど、擬態というよりも芸術と呼びたいカマキリの仲間が多くいます。なお、カマキリは全世界に2,000種前後いると言われておりますが、日本国内にはその中の9種類しかいません。

カマキリの擬態で有名なのは、ハナカマキリの仲間であるランカマキリ(Orchid Praying Mantis)でしょう。擬態の代表者として取り上げられることも少なくありません。花に似た擬態だけではなく、枯葉に似たカレハカマキリオオエダカマキリヒョウモンカマキリなどカマキリの仲間には見事な擬態をしている種が多くあります。

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