意識せずに問題行動を教えてしまうこともある
飼い主にとって、ペットは可愛くてしかたのない家族。甘やかしている方も多いものです。でも、甘やかすことで、ペットに問題行動を教えてしまっていることがあります。ケージで騒いだときにペットをケージから出すことは、騒げばケージから出られるとペットに教えています。ペットが攻撃的になったからとキャリーバッグに入れるのをやめれば、ペットは攻撃すればキャリーバッグには入れられないと覚えてしまいます。ごはんを食べないからとおやつをあげていれば、ペットはごはんを食べなければおやつがもらえると学んでしまいます。
ペットも人間と同じで、自分にとって都合のいいことは教えなくても覚えていきます。そして、あなたがちょっとだけペットを甘やかすことが、ペットに問題行動を教えてしまっている場合もあるのです。
解決の糸口
ペットに問題行動が見られたら、その行動を分析してみましょう。そうすることで、問題行動を解決できるようになります。分析は、次のことに注目して行ってください。- その行動の目的は何か
- その行動は特定の人物だけに行われているか(お母さんだけにする行動など)
- その行動はいつからするようになったか
- その行動をするようになったとき、家族や飼育環境に変化があったか
- その行動をしたとき、家族はどんな対応をしているか
特に環境の変化がなく、その行動をするようになった場合には、行動の結果として得られるものを与えないようにすることを考えてみてください。ケージで騒いでもケージから出さず、ケージの中に自分の手を入れて遊ぶようにするなど、別の結果を与える方法もいいかもしれません。
問題行動だと思った行動が習性による行動の場合もあります。再確認の意味も含めて、ペットの習性について調べ直してみるのもいいでしょう。
問題行動をさせないために
私は、すべての飼い主さんに、ペットにはたくさん愛情をかけてあげて欲しいと思っています。でも、甘やかすだけの愛情だったら、あまり愛情はかけないでください。ペットに必要なのは、厳しさのある愛情です。私も親バカな飼い主ですので、ペットはかなり甘やかしています。でも、常にペットの要求にこたえるような甘やかし方はしていません。しなければいけないことやしてはいけないことは、しっかりペットに教えています。たとえば、この記事を書いている今も、足元にフェレットや猫が遊びを誘いに来ますが、仕事中だからと断っています。断ったからといってペットが騒ぐことはありません。自分たちだけで遊ぶか、私の仕事が終わるのを待っています。
ペットに我慢をさせることや、嫌がることをさせるのに抵抗を持つ飼い主さんは少なくないでしょう。特に仕事や学校などでペットに長時間留守番をさせているならば、その分相手をしてあげたいと思うものだと思います。でも、だからといって甘やかし過ぎないでください。
甘やかし過ぎてしまうと、「ペットのため」にと飼い主が選んだ行動が、ペットに問題行動を覚えさせる結果になってしまうことが少なくありません。大切な家族だからこそ、厳しさのある愛情で、問題行動をさせないようにしてあげてください。