ブサカワの熱帯魚……女性にも大人気!
ブサカワの熱帯魚
さて私、長谷川は男だが、以前ロンゲの頃には、女性と間違えられてナンパされたり(運転中や背後からだが…)、ゲイの方に同類と間違えられる事も多々あるといった経歴の持ち主!? そんなガイドが、女性の観点に立ち、また何人かの女性の意見も参考にしたうえで、女ゴコロをくすぐる熱帯魚をセレクトしてみた。
一見、不細工な。でも、どこか愛嬌のある。そんな“心の恋人”になり得る熱帯魚たちに、疲れた心を癒してもらおう!
<目次>
ミドリフグ……ぬいぐるみチックな体型!
ミドリフグ Spotted green pufferfish Tetraodon nigroviridis(Marion de Proce, 1822) |
東南アジアの汽水域に生息するフグの一種で、緑と黒の水玉模様が可愛らしい。また、体に対して大きすぎるほどの、クリクリとした目玉も愛嬌満点。実際キョロキョロよく動く。しかも、口は常に半開き。まるでぬいぐるみのような造形が、魚ということを忘れさせ感情移入させてくれる。
さて、汽水域とは、海と川が交じり合う場所になる。そんな環境に生息する本種は、海水でも淡水でも生育できる。ただし、海水の半分程度の塩分濃度があった方が調子が良い。
本来は15cmほどに成長する魚だが、水槽内では10cm以下で収まることが多い。飼育に塩分が必要なこと。単独での飼育。と、いった制約があるものの、丈夫で飼いやすく、愛嬌満点なミドリフグは初心者にもお勧めだ。
飼育には若干の塩分が必要
粉末状の「海水の元」が商品化されているので、規定量の半分程度添加するだけで、簡単に半海水は再現できる。一般的に海水魚の飼育は、淡水魚と比べ器具も大掛かりになったりと難しい。けれども、汽水域にすむ魚の多くは水の汚染に強く、丈夫な種類が多い。もちろん、本種もいたって丈夫な魚である。しかし、その可愛らしさとは裏腹に、少々歯がするどい。よって、基本的に1匹での飼育がお勧めだ。でないと、他の魚のヒレなどをかじってしまい、観賞価値が低くなってしまう。20~30cm立方程度の水槽に、白いサンゴ砂、サンゴ岩でレイアウトすれば、あなただけの小さな海が出来上がる。さらにブルーのライトで照らし出せば、癒しの効果も満点である。
例え1匹での飼育でも、愛嬌満点の表情は、飼育者を癒してくれるだろう。
餌には、冷凍赤虫やクリルなどを与える。通常の乾燥人工飼料は、基本的には食べない。
パロットフィヤーシクリッド……風水的にも良い魚!?
パロットフィヤーシクリッド C. citrinellum x C. synspilum |
どことなく金魚に似ているこの魚は、台湾辺りで人為的に作り出された改良品種となる。南米に生息する近縁な2種類(シンスピルムとフラミンゴ・シクリッド)を組み合わせて生み出された交雑種だ。
本来は交じり合わない2種類の魚を、人の手によって交配されたため、「不稔(ふねん)」といい繁殖能力が無いとされる。
元々、中国の華僑の間で人気が高かったアジアアロワナと混泳されることが多い。幸運や金運がUPすると信じられるアジアアロワナと同じく、風水的にも良い魚と言われているらしい…???
アジアアロワナの人気に伴い、最近では色違いの品種も複数存在している。
はたしてこの魚が幸運を呼ぶのかは疑問だが、確かにその“ブサイク”な笑顔は、見ているだけで幸せな気分にはなれそうだ。
また、顔から受ける印象どおり、非常に人懐っこいのも特徴だ。水槽の前に立てば、常に飼育者のそばに擦り寄ってくる。
いつも笑顔の、変なやつ
▽ってなった口元が、めっちゃキュートと女性の間ではもっぱらの評判。そう、とにかく顔が笑ってる。餌を食べる時も。喧嘩をしている時も。いつでも笑顔を絶やさない。そんな姿勢を、我々も是非見習いたい。しかし、その笑顔とは裏腹に、少々気の強い面も併せ持つ。常に同種間で小競り合いを繰り返すものの、その体型、表情の性か、喧嘩する姿も滑稽にみえてしまう。よって、余り大人しい魚との混泳はできない。
飼育そのものは非常に簡単。餌も通常の人工飼料で構わない。最大で20cm前後に成長することから、60cm以上の水槽での飼育がお勧め。複数での飼育、また余り大人しい種類でなければ、混泳もできる。
レッドテールキャット……おやじチックなヒゲ面!
レッドテールキャット red tail catfish Phractocephalus hemioliopterus(Bloch & Schneider, 1801) |
“ポカン”と大きく空いた口元がチャームポイント。南米はアマゾン川に生息するナマズの仲間だ。名前の由来は、幼魚の頃に尾びれと背びれの先端が、特に赤いことからこう呼ばれる。
親父臭さを漂わせる口ひげも、哀愁を感じさせステキだ。
日本に生息するナマズにも似ているが、体の白と黒のツートン。目を引く尾びれの赤。そして何より、どっしりとした体型が迫力を感じさせてくれる。
大きく育った個体は、もはや魚というよりも動物的な感覚で、観賞魚としてよりもペットとして接することができる。人にも良くなれることから、寂しさを紛らわせてくれる家族の一員となることだろう。
もはや魚を超えた、ペットフィッシュ
写真からも分かると思うが、非常に大きな魚だ。最大で120cmに達するため、飼育にはそれなりの設備が必要になる。家庭の水槽ではそこまで大きくならないが、それでも120×60×60cm以上の水槽が、最終的には必要になる。魚にそんなに設備投資はできない!と考えるかもしれないが、犬や猫を飼うのにも、初期費用、また定期的な維持費が必要になる。そのことを考えれば、かかる費用に大差はない。観賞魚を飼うというよりも、ぜひペットとして考えて欲しい。
犬や猫のように、体温を感じるスキンシップは出来ない。がっ、その大きさ、人になれる性格。ガラス越しに愛想よく泳ぐ様は、もはや魚以上の何かを見出せてくれる。
10年以上は楽に生き、大型になることから、購入にはそれなりの覚悟が必要。だが、十分にその見返りを与えてくれる、魅力的なペットフィッシュである。一線を越える覚悟がある方に、お勧めしたい。
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