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ナマクアヒラセリクガメ

学　名：Homopus solus別　名：ナミビアヒラセリクガメ英　名：Namibian Cape Tortoise, Nama Padloper分　布：ナミビア南部甲　長：最大10.9cm

国内でめったに目にすることがない、ヒラセリクガメの一種であり最近に新種記載された種です。

ヒラセリクガメ属Homopus は、南アフリカとナミビアに分布する10cm程度の小型のリクガメの仲間で、現在は以下の5種に分類されています。

Parrot-beaked TortoiseオウムヒラセリクガメHomopus areolatus ・・・南アフリカ（西ケープ州の南緯31度以北）、最大12cm
Donner-weer TortoiseブーランジェヒラセリクガメH. boulengeri ・・・南アフリカ西部のカルー平原、最大11cm
Karroo TortoiseオオヒラセリクガメH. femoralis ・・・南アフリカ中央部（東ケープ州、フリーステイト州南西部）、最大16.8cm
Speckled Cape TortoiseシモフリヒラセリクガメH. signatus ・・・南アフリカ西部、最大9.6cm、H. s. signatus とH. s. cafer の2亜種に分かれる
Nama padloperナマクアヒラセリクガメH. solus ・・・ナミビア

ヒラセリクガメの仲間は、名前の通り背甲は頂上部が扁平なドーム状をしています。また背甲の後縁部がそり上がっていて、雨が降ると後ろ足を伸ばして背甲の後部を上に持ち上げて雨を受け止め、それを前方に流し効率よく雨水を飲んで水分を補給するという生態が知られています。

本種の背甲は赤みがかった褐色で、成長するとオリーブがかった色になるそうです。また各甲板の継ぎ目は濃色になります。

生息環境は乾燥した荒れ地のような場所で、多肉植物等を食っているとされますが、非常に短い雨期になると一斉に成長する草なども食べているようです。立体活動が得意で、岩などを活発に登っていくような行動も見せるようです。それ以外の野生での生態はよく知られていませんが、飼育下での繁殖記録では、現地での冬から秋にかけて37－41×26－28mmの卵を1個だけ産み、28－32℃で104日をかけて背甲長27－40mmの幼体が孵化したということです。

ヒラセリクガメの仲間は、小さくて美しく、好適な環境を設定さえできれば丈夫で飼育もしやすいということで、飼育したくなるのですが、何よりも野生動物の輸出を原則禁じている南アフリカのみに生息するためほとんど流通に乗ることがありません。そのため、動物園でもなかなか見ることができないカメでありリクガメファンの間でも憧れの種類でした。しかし2007年に新種記載された本種は南アフリカには生息しない唯一のヒラセガメであり、流通に乗る可能性が比較的高い種類です。それでも、2009年のはじめに1頭のみ流通しファンを驚かせました。

それでも誰でもが飼える種類ではありませんし、1回の繁殖頭数が1頭であるため、CB化も期待できませんから、今後もほとんど幻であり続けるリクガメでしょう。

CITES（ワシントン条約）の付属書II類掲載種


画像提供：aLive

赤っ恥をかかない程度の知識

南アフリカ以外に分布する唯一のヒラセリクガメ
小型で美しい
2007年に記載された新種
非常に流通しにくい
飼育は難しいと言われている
野生での生態はよくわかっていない

飼育の基本情報飼育容器幼体は60～90cmクラスの水槽や衣装ケースなど。成体はさらに大きな飼育ケースが必要温度28～32℃を基本の温度とし、35℃程度のホットスポットを準備してケージ内に温度の勾配を作る。シートヒーターなどで底面からの加温も必要照明紫外線入りの爬虫類用蛍光灯など床材乾燥を保てる素材がいい容器内レイアウトシェルターは必須。水場は設置しない方がいいかもしれない餌植物食。低タンパク高カルシウムの野菜・野草など基本的な世話一般の乾燥系のリクガメ飼育の通りと考えていいと思われる

幼体時の低温に注意

低温の空気に注意

高タンパクの餌の与えすぎに注意

※情報は「リクガメ大百科（マリン企画）」および海外サイトを参考にしました。

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