現在のジョージ
ジョージは発見されたあと、別の島にあるチャールズダーウィン研究所で保護のための飼育をされています。そして、そこではピンタゾウガメの個体数を1頭でも回復させるために、ジョージの子孫を得ようと懸命の努力が続いています。
もちろん、同亜種であるピンタゾウガメのメスはいませんので、もっとも遺伝的に近いと思われる亜種でありイザベラ島のウォルフ火山周辺の個体群であるベックゾウガメG. n. becki の2頭のメスと同居させ亜種間交雑としてでも子孫を得ようという苦肉の策ではあります。
しかし残念ながら1971年以降、実に37年の長い時間を費やしても、いい結果が得られなかったのです。
最新のニュース
長い間、繁殖成功のニュースが流れず、やきもきさせられていたり、あるいは「ジョージは高齢のために、すでに繁殖はできない」という意見もあったところに、2008年7月に待望のニュースが発表されたのです。簡単に解説すると、7月21日にジョージの飼育施設内の土の中から9つの卵が発見され、破損していた6つ以外の3つの卵の孵化に挑戦ということです。
当然、飼育施設の中には、雄のカメはジョージしかいませんので、この卵が有精卵であれば、生まれてくる仔の遺伝子はジョージつまりピンタゾウガメの遺伝子を持っているということになるのです。
ただ、当然ながらカメでも無精卵は産みますので、その場合には卵が発生せずジョージの仔も生まれてくることはありません。
一般にはガラパゴスゾウガメの孵化は130-200日程度はかかるため早くても12月はじめ、遅い場合は来年3月くらいまでには結果がわかることになります。
仮にこれから順調にジョージの子孫が得られることになった場合は、交配を続けることによって純粋に近いピンタゾウガメの遺伝子を持った子孫を得ることができます。
ゾウガメの性成熟は30年以上もかかりますから、それが何世紀先になるのかは見当もつきませんが。
さて、この孤独なガラパゴスゾウガメのジョージについて、もう少し詳しく考えてみましょう。