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写真提供:aLive |
レイテヤマガメ
学 名:Panayanemys leytensis※他にもさまざまな属名で表記されることが多い別 名:-英 名:Philippine pond turtle分 布:フィリピンのレイテ島とパラワン島とされるが実際はパラワン島とその属島のみに分布し、レイテ島には分布しない甲 長:21cmフィリピンのごく一部にしか生息しない稀少なカメです。
後述するように、何から何までちょっとピントがずれてしまっているような知見になってしまっているカメでもあります。
まず第一に、どうやら分布が間違っているようで、基産地であるとされたレイテ島には本種は分布していないそうです。おそらく、タイプ標本の産地のラベルの付け間違いがあったのではないかと考えられています。
さらに、体型等を見れば想像がつくのですが、いわゆるヤマガメっぽくありません。骨格の特徴などから、おそらく水生傾向が強く、実際に飼育下でも盛んに遊泳をするそうです。しかしながら、まだ分類としてどの属に入れるべきカメであるかは決着が付いていないようで、オナガヤマガメ属Geoemyda やアジアヤマガメ属Heosemys 、あるいはホオジロクロガメ属Siebenrockiella とされたりしています。またその独特の体型等から1属1種のPanayanemys 属とされることも多いようです。
背甲には顕著なキールはなく、後縁は鋸歯状になっています。背甲の色は褐色から赤褐色で目立った斑紋はありません。
頭部は大きく、特に吻端が前方に突出して独特な顔つきになっています。特に老成した個体の上顎は鈎状に曲がるそうです。下の写真ではよくわかりますが、後頭部に明色のラインが首輪状に入っています。
分布域すら怪しいわけですから、野生での生態はほとんどわかっていません。おそらく水棲傾向が強いカメであると思われます。食性もよくわかっていませんが、飼育下では雑食性で水中でのみ餌を食うそうです。
繁殖生態も不明ですが、卵は体の大きさから考えると大きな卵を産むそうです。
と、まあ本当に何もわかっていない、というか最初から全部やり直し!!みたいなカメです。
数年前にまとまった数が流通するまでは、幻のカメと言ってもいいくらいに発見例も少なく、分布も狭いためフィリピンでは厳重に保護されているそうです。もちろんレッドデータリストでもカテゴリーは最高(最悪?)ランクのIA類です。
ただし飼育自体は、それほど難易度は高くないそうですので、これまた日本のヤマガメとかハコガメファンの方々に頑張っていただいてCB化の道が開けるといいのですが。もちろん非常に高価なカメなんですけど。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識- レイテ島には分布していないらしい
- ヤマガメの仲間ではないと思われる
- 水棲傾向が強い
- 自然下での生態はほとんどわかっていない
- 後頭部に首輪状のラインがある
- 非常に高価であるが、飼育自体はそれほど難しくない
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頭部
画像をクリックすると拡大画像と詳細が表示されます飼育の基本情報 |
飼育容器 | 60cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど |
温度 | 低温に弱いため水中ヒーターなどで30-32℃に保温する |
照明 | フルスペクトルランプの蛍光灯などを使う。陸場にはホットスポットを設置する |
床材(底砂) | 特に必要はない |
容器内レイアウト | やや水生傾向が強いので3分の1程度の陸場を設ける。水深は甲長程度 |
餌 | 雑食性で、食べれば配合飼料でよい |
基本的な世話 | いわゆる半水生ガメの飼育法でいいと思われるポイントはやや臆病な性格で、あまり水中から出てこない比較的丈夫で飼育はしやすい水質の悪化に注意など※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2(誠文堂新光社)」および飼育をされている方からのお話しを参考にしました。 |
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