ワシントンか、と...
さて、大蛇模型は任せてよさそうです。もう一つの大物造形は「ジャングル」。
生徒のイメージでは、教室内に木の枝を配してジャングルを作りたいとのこと。やはり、一般の方のイメージでは「ヘビ=ジャングル」なんですね。アナコンダは確かにそうですが。
それならば、とにかく木の枝を集めてこなくてはいけません。先生方に頼んで「剪定屑」をもらったり、近所の園芸屋さんに相談したりしていますが、教室半分をジャングルにするのですから大変です。
で、生徒が考えた名案は...
ある日のこと
「3年B組の生徒が、学校の庭のサクラの木を切っていますよ!!」
とお叱りの連絡が...
ぅをいっっっ!!!!
学校の木、切るんじゃねぇーーーー!!!!
数人の生徒が、鋸を片手に学校のサクラの木の枝ぶりを見ながら、ギコギコ切っていたらしいです...
で、結局、なんと理事長先生の計らいで、理事長先生立会いの下、校内のタイサンボクの木の枝をごっそり切ることを許可され、見事に教室内がジャングルと化したのでした。
それが、こちら。ハイ!!
教室内に作られた「ジャングル」 |
オオアナコンダ完成!!
一方アナコンダの方はというと、すべての厚紙に鱗を貼り付け終わって、いよいよ組み立てです。もちろん、ヘビですから曲がりくねっていなければいけません。しかし長方形の厚紙を貼り付けて、カーブさせるわけですからかなり大変です。
ここで、担任の登場です。B組の担任は数学の先生ですから、幾何学を駆使してやってくれるのでしょう。
実は、この時点で「素人が四角い厚紙を貼り合わせてヘビを作ろうというのだから、出来は期待せんでおこう...」と考えていました。
そんな時に、生徒が「ヘビの曲がり具合を表現してみたのだが、意見を聞かせて欲しい」というので見に行ったところ...
絶妙のカーブの胴体。さすが数学の先生 |
すげぇ!何、この絶妙の曲がり具合!!
どうすれば、四角い紙を貼り合わせて作ることができるのかというほどのすばらしい出来ばえの曲がったヘビの胴体がそこにありました。
しかも、やわらかい厚紙で筒を作っていますから、うまく横につぶれて、あの大蛇特有のドタッとしたユルみ具合まで表現できています。
さすが、数学の先生!!と褒めたら、いや適当に貼り付けていっただけ、と。あ、そう。
紙をつなげただけだから、接合部分が目立ってジャイアントミールワームみたいになってしまうのは仕方のないことではあります。しかし、それでもヘビなんて見たこともない、という生徒たちが作ったことを考えれば、私たちヘビ好きを十分に納得させるくらいの出来ではあります。
ちなみに、これを見たときに「これは記事に使おう」と決意したんです。
頭部の方も、納得できる範囲の出来で、ついに前日に頭部と胴部を合体させて、9m「くらいの」のオオアナコンダが完成したのでした。
長すぎて教室内では写真に収まりませんでした |
仕上げ
文化祭前日には、どれもほぼ完成しました。オオアナコンダ実物大模型 |
ヘビの展示スペースであるトンネルは頑丈に作られて、中は真っ暗なのですが、水族館をイメージしてトンネルの側面に四角く穴を開け、薄明かりでヘビを照らし出す演出がなされています。これは結果的に大好評でした。
水族館風の生体展示 |
掲示物もきれいな字で丁寧に作られていますが、感心したのがキリスト教でのヘビに関しての掲示です。
いわゆる創世記のエデンの園でのヘビの物語を説明しているのですが、最近の子供は絵が上手い!!紙芝居っぽくてわかりやすく、私的にはかなり好きな掲示でした。
ほぼ完成した展示物を見て生徒たちも満足したのか
「これで優勝できなきゃ、オカシイだろ!!」
とエキサイトしまくっています。
というのも、この学校では、文化祭の学級展示の最優秀賞を選ぶという決まりがあるのです。やはり、どの学級も一生懸命に協力し合いながら作り上げますから、自信を持っているわけです。
「いや、『ヘビ』じゃムリじゃね?」
って、私は思いましたが口にはしません。
とにかくあとは、私が当日の朝に展示用の生体を持ってくるだけです!