減数分裂
でも、よく考えてみたらオス親もメス親も、子と同じ数の染色体を持っているはずだよね。コーンスネークだったら2n=36だ。だいたい精子はオス親の細胞からできているのだし、卵はメス親の細胞からできているのだから染色体の数はやっぱり同じ2n=36ってことで、そうなると卵と精子が受精した子は36+36=72本になってしまって、孫の代は72+72=144...と、世代が替わるたびに染色体数は増えてしまうことになってしまう。でも、そうならないのはなんでだろう?
実は、卵や精子は「減数分裂」をしていることで、そうなることを防いでいるんだ。
卵や精子のように子を作るために合体する細胞を「配偶子」と呼ぶんだが、生き物の配偶子は、親がそれを作る時に染色体数が半減する細胞分裂を行って作る。それを減数分裂と言います。自分の子どもの染色体数が、親と同じになるように生物の体には工夫がしてあるというわけだ。親の愛情を感じるねー。
逆に、配偶子を作るのではなく、自分の体の中で使われる細胞を作る時は、細胞分裂の時に染色体数が変わらないように工夫された「体細胞分裂」というのをしています。30cmくらいで産まれたベビーのヘビが、1mくらいに成長する、なんて時に行われているわけだ。
体細胞分裂の模式図 |
今回の授業では体細胞分裂と減数分裂の細かい仕組みについては、あまり理解に関係しないので割愛するけど、せめて
「普通の細胞分裂(体細胞分裂)は染色体数は変わらない。精子とか卵を作る細胞分裂(減数分裂)では染色体数が半減する」
ことは理解してくれ。以下の図が簡単な減数分裂の仕組みを表しているから参考にして下さい。
減数分裂の模式図 |
この図でわかるように、それぞれの対になって2セットある染色体が1セットずつになって配偶子になるから、精子とか卵は染色体数が半分になる。だから精子とか卵は染色体数がn=○○となる。
例えば、コーンスネークの場合は2n=36だから、コーンの精子とか卵の持つ染色体数はn=18ということだ。
じゃ、練習してみようか。
問1. トノサマガエルの精子の染色体数をnを使って表せ。
問2. トノサマガエルの卵の染色体数をnを使って表せ。
問3. 人間の染色体数は46である。人間の精子や卵の染色体数はいくらか。nを使って表せ。
問4. ある生き物の卵の染色体数はn=19であった。この生き物の染色体数をnを使って表せ。
答えはコチラ今日のまとめ
というわけで、今日の授業では遺伝を学ぶためにどうしても必要な染色体の話をしたわけだ。ちょっとまとめると、結局こういうことだ。
コーンスネークの場合は染色体数が2n=36だから
|
で、この子がまた2年くらい成長して親になると、減数分裂をして染色体数が半分の精子とか卵とかの配偶子を作るわけだ。
親から子へ、染色体が引き継がれていく |
しかし、本当に良くできた仕組みだよな。神様がもしもいないんだとすると、どうやって生き物たちは、こんな仕組みを作り出すことができたんだろう。
それこそ進化の賜物。。
こうやって考えを巡らせることが勉強としての生物ができるようになる一歩だろう。で、両爬飼育に新しい楽しみを見出す一歩でもあると思う。
ところで宿題を出しておかなくちゃいけなかった。
宿題:アカハライモリは染色体数が2n=24である。これについて以下の問いに答えよ。
問1. アカハライモリの精子の染色体数をnを使って表せ。
問2. アカハライモリの卵の染色体数をnを使って表せ。
以上。何か質問は?
「先生ー。宿題の期日はいつまでですかー?」
もちろん、次の記事がアップするまで!!.....
コレで終わります!!
「起立。気をつけー。礼!」
「ありがとうございましたー」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....