爬虫類・両生類/両爬のQ&A

1時間目・染色体と減数分裂

新シリーズ記事です!今さら聞けない両爬の用語に遺伝に関するものがあります。このシリーズでは両爬飼育に役立つ遺伝を中心とした生物の基礎知識を授業の実況中継風に解説していきます!その第1弾です!

執筆者:星野 一三雄

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!
それでは、授業を始めまーす。挨拶をお願いしまーす。

「起立。気をつけー。礼!」
「お願いしまーす」

ハイ、お願いします。
えー、今日からここにいる両爬好きのみなさんの生物の授業を担当することになりました。化学が専門の星野です。よろしくお願いします。

授業に入る前に、今回の科目の狙いというか、目的を少し説明しましょう。

この科目は『両爬好きが、その趣味をさらに深めるための知識である、高校生物の基礎知識を再確認すること』が目的の授業です。特に『高校の時に習ったはずなのに、忘れてしまって今さら聞くことができない両爬の話をする時によく出てくる遺伝の知識や用語』をみなさんに教えることです。
ただし、両爬の基礎用語にまで行くには若干時間がかかります。

まー、私も本職ですから、と言うかプロですから、たぶん大丈夫でしょう。普段教えている科目は化学ですが...

今のところは笑うところです。...まあ、いいや。

ああ、それと内容の説明に入ると言葉遣いが変わりますが、あまり気にしないように。本当の姿ですから。

じゃ、前置きの与太話はこのくらいにして、本題に入りましょう。ノートを準備してー。

遺伝

この授業の目的である、両爬の遺伝関係の知識って、どんなものがある? じゃ、出席番号36番!

「えーっと、コーンスネークの品種とか」

なるほど。そうだね。なかなか聞けないよな。この品種とあの品種をかけたら、どんな品種が産まれるのか、と。まさにこれって遺伝の知識が必要なわけだ。

さて、コーンの品種とか、例えば色彩の変異であったり、斑紋パターンの変異であったり、ああいう生き物の特徴、本当は外見とかだけでなく、目に見えない体質とか先天的な病気とかを「遺伝形質」と言います。

ところで、遺伝しない形質というのはないのか、というと厳密にはないんだね。

あとから説明するように、生物はすべて親から形質を引き継ぐわけだから、必ず子が持つ形質は親に由来する。ただ、それがはっきりと目に見えなかったり、あるいは突然変異として生じてしまったりすることもあるから、遺伝していない場合なんかもある。

とにかく、我々両爬好きが気にしがちな「品種」というのも「遺伝形質」であることを意識するように!おっけー?

遺伝子

じゃ、これらの遺伝形質はどうやって親から子に引き継がれるのか、っつー話だ。

子が生まれたら、親が「あんたは私の子なんだから、私と同じ特徴を持ちなさい!」って説得する?それとも、親が「神様、私と夫の子だから、私と夫に似させて下さい」って祈る?違うよな?

これらの生き物が持つ遺伝形質は、すべて「遺伝子」を使って引き継がれるという仕組みなんだね。つまり白いスノーコーンはスノーコーンになるための遺伝子を持っている、本当は遺伝子の組み合わせなんだけど、そこら辺はとりあえず置いておいて、とにかくそれを持っているから白いスノーコーンとしての特徴を持っているわけだ。

そもそも遺伝子の正体って何かという話は、生化学分野になってしまってスゴク複雑で難しいから、今回は触れないけど、本当はたぶん大事。生化学の深さまで理解すると、両爬の色とか、そんなのがとてもおもしろくなってくるとは思うんだけどね。とにかく遺伝子の正体は「DNA(デオキシリボ核酸)」という物質であることくらいは一般常識の範囲で覚えておこう。
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