前回の続きです。
今回は特定(危険)動物(以下「危険動物」)の飼育の許可に必要な「マイクロチップの埋め込み」を、実際に私が行なった流れで紹介していきたいと思います。
マイクロチップとは?
危険動物の飼育を行う場合、都道府県知事からの許可を得なくてはいけませんが、その際に「個体識別措置」を施すことが義務づけられています。「個体識別措置」とはつまり、生き物が保護された場合に、飼い主が確実に判明するようにしておくことです。これにはさまざまな方法が考えられるのですが、爬虫類の危険動物の場合は、個体識別情報が記録されているICである「マイクロチップ」の埋め込みが義務づけられています。
ペットのマイクロチップに関してはAll About「ネコ」サイトの以下の記事が詳しいのですが、簡単に説明してみましょう。
マイクロチップを入れよう!-マイクロチップでどんなもの?- from All About「ネコ」サイト
マイクロチップは、直径2mm、長さ10mm程度の大きさで体内に留置しても害を及ぼさない生体適合ガラスというバイオマテリアルの一種の素材でできています。この辺は化学教員の私としては、かなり興味津々...
マイクロチップ。右は10円硬貨 |
撮影協力:篠原動物病院 |
その中に超小型のICが入っており、その中に以下の情報が記録されています。
・国コード(最初の3桁/日本のコード:392)
・動物種コード(1桁/爬虫類の場合:14)※伴侶動物(ペットはすべて14)
・メーカーコード(2桁:会社により異なる)
・個体番号(残りの8桁)
ちなみに我が家のヨウスコウワニは「3921410000180**」(下二桁は個人(鰐?)情報なので伏せました)です。
チップに記録されている情報は「マイクロチップリーダー」という読みとり専用機器を使えば、皮下に埋め込まれていてもすぐに読みとることができます。リーダーはチップが埋め込まれている場所に近づけるだけで15桁のID番号を電子表示します。
マイクロチップ埋め込み後は、そのID番号を登録します。登録は一部のマイクロチップを除き、日本では「動物ID普及促進会議(AIPO)」が一括して行なっています。
つまりマイクロチップを埋め込んだら、その番号および飼い主の情報をAIPOに郵送して登録するわけです。
万一、マイクロチップを埋め込んだ個体が警察等に保護された場合、リーダーでID番号を読みとってAIPOに照会すれば飼い主が判明するということです。
したがって危険動物の場合、マイクロチップを入れる理想的な流れは
1.爬虫類にマイクロチップを入れることができる動物病院を探しておく
2.危険動物飼養の許可を得る
3.危険動物の飼育を開始する
4.動物病院でマイクロチップを入れる
5.獣医師が登録用の「IDデータ登録申込書」と保健所等に提出するための「マイクロチップ埋め込み証明書」を作成し、それを受け取る
5.登録団体(AIPO)に登録手数料を払う(郵便振替)
6.「手数料払込金受領証」と「IDデータ登録申込書」をAIPOに郵送する
7.保健所等に「特定動物識別措置実施届出書」と獣医師が発行した「マイクロチップ埋め込み証明書」を提出する
では、いよいよ私の家のヨウスコウワニにマイクロチップを埋め込むドキュメンタリーを。