爬虫類・両生類/両生類・爬虫類関連情報

スペングラーヤマガメの基本情報と飼育方法……アジアのヤマガメ!

今回は、スペングラーヤマガメの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。スペングラーヤマガメは、いかにもヤマガメらしい形態と活動的な行動で昔から人気が高いアジアを代表するヤマガメ。高温と乾燥に弱いのですが、それに注意すれば比較的飼育はしやすいです。

執筆者:星野 一三雄

スペングラーヤマガメの基本情報

スペングラーヤマガメの基本情報と飼育方法

スペングラーヤマガメの基本情報と飼育方法

スペングラーヤマガメ
学 名Geoemyda spengleri別 名:オナガヤマガメ英 名:Black-breasted Leaf Turtle分 布:中国南部からインドシナ半島甲 長:最大13cm

いかにもヤマガメらしい形態と活動的な行動で昔から人気が高いアジアを代表するヤマガメです。

赤褐色から黄褐色をした背甲はあまり高くならず、三本のキール(稜線)が目立ちます。また背甲の後縁は鋸歯状になっており、特に幼体ではトゲヤマガメのように顕著です。腹甲は周縁部が黄色に縁取られている以外は黒一色です。写真の個体のようにメスや幼体は目の後ろから側頭部にかけて明色のラインが走っています。オスは特に尾が太長く、明瞭な雌雄の判別点になります。

生息環境は山間部の森林内の林床で、比較的涼しい場所を好みます。また清流の近くなどにも多く見られ、歩き回る生活をしており、ほぼ陸生のカメといえます。視覚が発達しており、昆虫類やミミズなどの土壌生物を好んで食べているようです。

飼育下の繁殖の記録では1回に1個の卵を産み38日程度の間隔で、計3クラッチに分けて産卵をしたようです。産卵された卵は43mm×20mm程度であり25-30℃で66-73日程度で甲長42mmほどの大きさの幼体が孵化します。

欧米では、人気が高く飼育方法の情報も多いのですが、日本ではイマイチの人気です。他のアジアの水生ガメと同様に、本種も激減しており流通量も少なくなりました。

高温と乾燥に弱いのですが、それに注意すれば比較的飼育はしやすく、活動的で大きさも手頃なので、根強い人気はこれからも続くのでしょう。以前は、沖縄に生息する国指定天然記念物のリュウキュウヤマガメと亜種関係になっていましたが、リュウキュウヤマガメが独立種となりましたので、現在は亜種はないと考えられています。

CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種

 

スペングラーヤマガメの飼育方法

飼育容器
60cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど。

温度
22~27℃程度が適温。高温部は27~30℃程度まで。冬は保温が必要

照明
高温の照明を嫌うため爬虫類用の紫外線入り蛍光灯を用いる

床材(底砂)
保湿性のある素材を厚めに敷く

容器内レイアウト
陸生が強いが水にも比較的よく入るため、体高と同程度の水深の水場を設置する方がよい


基本的には肉食。コオロギやジャイアントミールワーム、ピンクマウスなど。イチゴやミカンなどの果実類もよく食う。配合飼料も食うようにはなるが、あまり積極的ではない。

基本的な世話
いわゆるハコガメやヤマガメ類の飼育法ポイントは
  • 高温と乾燥に注意
  • 水質の悪化に注意
  • 一週間に二回程度、霧吹きなどによって多湿になるようにする
  • など
※「飼育の基本情報」は「ミズガメ大百科(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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