爬虫類・両生類/フィールドワーク

九月 子ヘビに会いに

そろそろフィールドシーズンもおしまいですね。この時期は最後のフィールディングになるでしょうか。今なら子ヘビたちと出会えます!

執筆者:星野 一三雄

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!!

さて、楽しかったフィールドシーズンもついにお終いに近づいてきました。1月から始めた「今月のフィールディング」も、さすがに今月と番外編の来月で終了したいと考えています。さすがに11月とか12月とかはフィールドは休みでしょうから。
で、ちょっと今月も遅くなってしまったので、ここは来年の9月用と思ってお許しを。

で、9月は「子ヘビと出会う」をテーマにフィールドに出てみましょう。

なぜ子ヘビ?

日本のヘビを飼育していると感じるのですが、とにかく8月はヘビの孵化ラッシュであります。これはもちろん自然でも同じことでしょう。ですから8月後半から9月中旬までは、フィールドではよくその年生まれの小さな子ヘビたちともっともよく出会える季節なのです。

南西諸島と対馬を除くと日本にヘビは8種類いますが、私は今までにこの時期にすべてのヘビのベビーたちと出会っています。
もちろん他の時期にも出会うことはできますが、個人的には圧倒的に夏の終わりから秋の初めにかけてが多いのです。

それに単純に考えても、ベビーが生まれているということは、いつもよりはヘビの個体数もその分多いわけですから、出会える確率も高くなるってもんです。それにヘビが苦手な方でも、つぶらで大きな瞳をもつかわいい子ヘビたちならヘビの魅力を発見できるかもしれませんし。

子ヘビを見分けよう!

さて、そんなかわいらしい子ヘビたちと出会うには?
と言われても、何も特別なことをすることはありません。田んぼの近くを散策してみたり、山道をドライブセンサスしてみたりと夏の間にヘビを探すためのことをすれば、運がよければ出会うことができるはずです。

そこでここでは、出会った子ヘビたちの種類の見分け方をお教えしましょう。
私のところには、特にこの時期に
「このヘビの名前を教えて」
という問い合わせが来ます。
それにヘビの種類を見分けることができることは毒ヘビに間違われて殺されてしまうという不幸な事故を防ぐことにもつながりますので。

それでは身近に見られる8種のヘビの子ヘビの特徴をご紹介します。
とある公衆便所内にて
アオダイショウの子ヘビ

アオダイショウ
基本の色はグレー。上から見ると比較的規則正しい茶色の横縞模様に見えます。尻尾はかなり細長く、先端まで横縞模様が入るのが普通です。ただし、横から見ると模様はあまり規則正しくないです。
この時期の子ヘビは30cmくらいが普通です。



我が家のCB個体・ちょっと地味めの個体
シマヘビの子ヘビ 

シマヘビ
基本の色は薄い茶色から、かなり赤みがかった小豆色。上から見ると赤茶色の不規則な横縞斑紋がありますが、目立つのは体の前半部で、後半部は不明瞭になるのが普通です。また頭の斑紋は細かくてかなり不規則です。目の色が赤茶色なのは親にも見られる特徴ですが、子ヘビでも確認できます。
この時期の子ヘビは25cmくらいです。



赤がド派手
ヤマカガシの子ヘビ 写真:わいるどほーむ

ヤマカガシ
基本的に親と同じ模様で、東日本や九州ではかなりカラフルです。つまり黒い頭部のすぐ後ろの襟首部分に、かなり目立つ白い斑紋があり、体の前半部は一見、黒地にまるで顔料を塗ったような赤く細かい模様が点在します。さらに腹側は黄色みが強いのが普通です。
一方、体の後半は黒地に、非常に細かい緑色の斑紋が散在しています。
なお、西日本の個体の子ヘビは全体的に、ほとんど黒のダークグリーン一色で、腹側が黄色であります。
プロポーションはかなり頭でっかちで、体は細長いです。また日本の子ヘビの中ではもっとも目が大きく、イヌのチワワみたいな感じです。
この時期の子ヘビは20cmくらいです。

ジムグリ
基本の色は鮮やかなオレンジ色で、背中に比較的大きな虫食い状の黒い斑紋が目立ちます。
上から見たときに頭に「逆V字型」の黒い斑紋が目立ちます。お腹側に市松模様があるのも特徴です。
この時期の子ヘビは25cmくらいです。
我が家のFH個体
ジムグリの子ヘビ 
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