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Part1 両爬界の大激震!?(3ページ目)

後手に回ってしまった感のある新法「外来生物法」。今回は私見をなるべく最小限にして、特に初心者の方にわかりやすいように解説をしてみました。

執筆者:星野 一三雄

今後の流れ

とにかく法律自体は公布されましたので、変えようがないわけです。今後は「特定外来生物」の選定作業に入っていきます。
この選定作業の今後の流れとしては

・中央環境審議会野生生物部会外来生物対策小委員会開催(9/1)
※この会議では特定外来生物被害防止基本方針の案の作成について話し合われます。

・9/1以降・・・特定外来生物選定委員の決定

・特定外来生物選定の会議
※この会議は一般公開の予定

・特定外来生物の決定
※この結果に関してパブリックコメント(一般からの意見募集)がある予定

・特定外来生物のリスト作成

・法律の施行(2005年3月)

私たちがやらなくてはいけないこと

もしも私たちの飼育している両爬が特定外来生物または未判定外来生物に指定されてしまったのならば、現実にどうすればいいのでしょう。

法律の本文中では明文化されていませんが、飼育個体が特定外来生物に指定されるよりも前から飼育されている場合は、法律にのっとった形で飼育の許可を得なくてはいけません。
この際に許可がおりるのはその時点で飼育している個体のみであり、その個体が仮に繁殖しても、その繁殖個体には許可はおりません。
もちろん譲渡もできないわけですから、繁殖させたベビーは殺さなければいけません

この許可の取り方や期限などは、まだ具体的には決まっていないようですので、今後の推移はしっかりと見守っていかなくてはなりません。

しかし、これに関してとても心配なことがあります。そして、そのことについての行政の考えをぜひ問うてみたいのですが。
その心配事とは「飼育している特定外来生物の放逐・遺棄のラッシュ」が起こってしまうのではないか、ということです。

普通の人たちは、やはり法律は遵守していくでしょうから、自分の飼育個体が「飼ってはいけない生き物」ということになれば、無許可で飼育を続けたりはしないでしょう。
とすれば、二つに一つ。「許可を得て飼育を続ける」か「手放す」かです。
手放すと言っても、違法個体になるわけですから引取先を見つけるのは容易なことではありません。
そうなれば「捨てる」ことを考えても何ら不思議はありません。
しかしまさにこういう行為こそが、今回のような法律を生み出してしまったわけで、絶対にそんなことはしてはいけません。

本当に、みなさん、よろしくお願いいたします。捨てたりしないように。

超私見

ここからは私見であります。
平成12年のいわゆる「新動管法」、平成15年の「鹿児島県の条例」、そして今回の「特定外来生物法」と、ある意味私たち両爬飼育者にとって厳しい規制が続いています。
もちろん必要だからできたものですし、決まりは守らなくてはいけません。でも「やりにくくなった」というのが本音でしょう。私だって正直そうです。

しかしちょっと待って下さい。「新動管法」の時も、「鹿児島県の条例」の時も、きっと決まる前に何かできることがあったはずなんです。でも結局、何もしなかった。少なくとも私は。
今回は、これで3回目です。幸い、まだ少しだけ時間はあります。
私は、私にできることをしていこうと思っています。

それに今回の法律も含めて、結局は(一部ではあるかもしれませんが)私たち飼育者や流通に携わっている者のモラルの不足が原因の一つであることは否定できません。

もしも今回の法律により、あるいは今後の流れから「現在流通していて、飼育の対象になっている」両爬のほとんどが規制の対象になったのならば、私は個人的には「両爬(に限らず生き物すべて)の飼育・流通・販売・譲渡はすべて許可・免許制」にするべきであると提言したいと思います。
こういう議論は以前からあったのですが「不可能である」という結論にすぐなってしまい、非常に現実味の薄い話になっていました。
ですから、あえて私は飼育等の許可・免許取得のハードルを低く、その代わり確実に実行できるようにしてみたらどうかと考えています。例えば、飼育の許可や免許の取得をショップに委託してみるとか。
非現実的かな?

とにかく今回の法律は、その基本方針によっては、愛玩用の両爬飼育存亡の危機になることは間違いありません。
事態は、私のように非現実的な考えまで飛び出してしまうほど深刻であると私は思っています。

さらに未確認情報なのですが、もっと直接的に両爬飼育を含めた「生物の飼育に対する規制の法律」が作られることが検討されているようなのです。いよいよ私たちのような生き物の飼育を趣味とする者たちのモラル、あるいは生き方が問われているのではないでしょうか。

これから来年の施行まで、なるべく私は「特定外来生物法」を追い続けて、特に動きがあった場合は、随時記事として取り上げていきますので、みなさんもどうか無関心にならずに注視して下さい。

最後にちょっとだけ私の真の本音を...
「あー、俺は国産種マニアでよかったー...」

<関連サイト>
S'hei's Homepage
ミドリガメとコーンスネークが飼えなくなる日from S'hei's Homepage
環境省
環境省のパブリックコメント募集ページfrom 環境省

<ガイド記事>
知ってる?「新動管法」
鹿児島県の保護条例
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