爬虫類・両生類/フィールドワーク

七月 やっぱ夏の夜は...(3ページ目)

さて暑い毎日が続く7月。今月のフィールディングは、私のもっとも得意とする分野です。最後にちょっと夏らしくおまけの話も...

執筆者:星野 一三雄

ちょっとお約束のおまけ話

さて、こんな風に墓地とか神社とかでも平気でフィールディングしちゃうバチ当たりな私ですが、こんな経験を以前しました。

ある島でフィールディングしていたのですが、なかなか目的の生き物を見つけることができずに、いつもみたいにあちこちをうろうろしていました。

ある山の中に小さな鳥居を見つけた私は、直感的に
「お、こういう山の中のさびれた感じの神社って、ポイントなんだよね~」
と心弾ませ、深々とお辞儀をしてから鳥居をくぐって行きました。

細く、暗い参道の脇には古い大木や苔むした大きな岩がゴロゴロしていて、なかなかいい感じ。小さなトカゲや寝ぼけまなこのヤモリたちの姿もありました。
参道の行き着いた先には小さな祠ががあっただけです。ワンカップの中には、近所の方がまめに管理をしているのか綺麗な水と花が供えられており、小銭などもいくらか置いてありました。

もちろん祠に向かって
「神様、ちょっと失礼いたします。少しだけ生き物を探させて下さいね。」
とご挨拶をして、祠の近くに置いてある漬け物石大の石をどかしてみます。
こういう石の下にはトカゲとか、蟲とかがいてなかなか楽しいのです。
と、いくつめかの石をどかしてみると、その下に何本かの繊維状のものを発見。
「なんだこりゃ...?」
と思って、引っ張り出してみると...

なんと、土の中から出てきたのは20cmくらいの
ワラ人形
しかも釘まで刺さっています。
さらによく見ると、その石の下には、もっとたくさんのワラ人形が埋まっている様子。
「さー」っと、音を立てて頭から血の気が引いていくのがわかります。
近くの大木にもたくさんの五寸釘が刺してあったりするし...

もう両爬どころではなく、逃げて帰った星野でした。

というわけで、夏の夜にピッタリのフィールディングの話題でした。
みなさん、くれぐれも「やもたん」探しをするときは警察官の職務質問と犯罪、そしてワラ人形だけには十分注意して下さいね。
夜道
タワヤモリがいた夜の道路


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