犯罪ギリギリのフィールディング
さて、そんなわけでニホンヤモリを探すには、夜に町中で探すことになるわけです。ポイントは
(1)比較的、古い木造建築が多い住宅街
(2)海岸や港に近い建物群
(3)大きな緑地が近くにある場所
あたりになります。ただし東京のど真ん中、銀座のオフィスビルでも姿を見かけることがあるというのですから、油断は禁物です。
こういうポイントならば「やもたん」たちは灯りに集まる昆虫を捕まえにやってきます。
目の付け所は
・光を使った看板
・電気のついている自動販売機
・うっすらと光が当たっている色っぽい壁
・公園内の公衆トイレ
・郊外のコンビニエンスストアーのガラス
あたりでしょう。
公園のトイレにいたヤクヤモリ |
時間は、昼間の温もりがまだ残っている早い時間がいいでしょう。この時期ならば日没直後の7時半くらいから9時半くらいまでがもっとも姿を現していると思います。
で、懐中電灯なども準備していそうな場所を丹念に見ていくわけです。
光っている看板ならば「やもたん」の輪郭そのままのシルエットを見つけることができますし、白っぽい壁などをちょろちょろと疾走する姿を見つけることができるはずです。
これを見つけたならば、ゲットするために低い場所ならばそのまま手で押さえつけますが、このときに尻尾を切らないように十分注意しましょう。
高い場所にいる個体の場合は私の場合はスネークフックで軽くつつくと落下してきますので、落ちた場所で確保します。つつくのが嫌だという人は水鉄砲で水をかけるのもいいでしょう。子供が遊ぶための高水圧の水鉄砲なんかいいかもしれません。
と、そんな夜の町中で懐中電灯持って、スネークフック持って、水鉄砲持って、きょろきょろしてたら不審人物丸出しであります。じゃ、あまり人気がないところで...って、それも怪しさ炸裂です。特に沖縄のように「やもたん」が多いところでは、人家の風呂場の窓などにもくっついていることがありますから、間違いなく犯罪者と間違えられます、と言うかほぼ犯罪者です。
ですからできれば2人以上で行動し、必ず身分を証明できるものを携行して下さい。
また夜の山でしたらイノシシとか、南西諸島ならばハブに注意するくらいでいいですが、都会の夜は物騒です。くれぐれも事故や事件に巻き込まれぬよう...
以上のような夜の町中でニホンヤモリと出会う方法は、南西諸島ではホオグロヤモリ・オンナダケヤモリ・タシロヤモリ・オガサワラヤモリあたりが該当します。
暑い夏の夜にうってつけ!
一方、日本の在来種であるタワ・ヤク・ニシ・ミナミなどはどうやって探せばいいのでしょう?確かに、これらの在来種は森林や岩場などに生息しています。しかし夜に、いるかいないかわからない森林や岩場などで小さくて、しかも保護色に近いような体色をしている彼らを見つけ出すのは相当困難です。ところがそんな在来種たちも「森林の中の人工建造物」、「大きな人工の岩がたくさんある場所」などにも住みついているので、そういう場所を探せばいいわけです。
神社の軒下にいたヤクヤモリ |
ん?「森林の中の人工建造物」?「大きな人工の岩がたくさんある場所」って...?
答えは...「社寺仏閣」と「墓地」であります。
大体、分布している場所で周囲が森林や海岸に近ければ、例外なく神社やお寺、墓地などに夜に行けば「やもたん」たちに出会うことができます...まさに暑い夏にうってつけのフィールディングでしょ?
ただし深夜に墓地や神社なども平気という方でも、本当はそういう場所に勝手に入ってしまっては不法侵入で捕まっちゃいますので、可能な限り許可をもらってからするようにして下さい。それから、やはり神社やお寺、墓地などという場所は神聖な場所ですから、必ず入る前には手を合わせるなり、きちんと心の中であいさつをすることも忘れないようにしましょう。
どうしてもそんな不気味なところに近寄れない、という方は
・海岸沿いの山を背にした広い駐車場
・海岸沿いの細い道路のコンクリートで固められた崖
・海岸沿いの公衆トイレ
などを探してみましょう。
ただし、これらの在来種は光を嫌いますので、暗い場所がポイントになります。
道路の駐車場のコンクリート壁にいたヤクヤモリ |