全国的に暑い夏に突入したようですが、みなさんの住んでいるところはどんな様子ですか?
こんな暑かったら、外で両爬探しなんて嫌ですよね?そりゃ、私だってそうです。それに無理して外に出て熱中症になったら大変ですから。じゃ、こんな時は昼間ではなく、夜にフィールディングしましょうか?
そう、今月のフィールディングは夜の「ヤモリ探し」をご紹介です。
タワヤモリ |
日本のヤモリたち
ヤモリネタって、実は私が一番得意とする分野でもあるので、ちょこっと蘊蓄から。ここでいうヤモリとは木の幹や壁などの垂直部分を、指の指下薄板(吸盤みたいなもんです。全然違うんですが)を使って自由自在に動き回る、いわゆる「壁チョロ」の仲間達のことです。基本的に世界中のヤモリはヤモリ科でひとくくりにされています。国外のヤモリたちは個性的な面々ですが、日本の種類はあまり個性はありません。
日本国内では南西諸島を中心に14種(未記載種含む)が生息しています。南西諸島以外の本土ではGekko属のみが生息していて、残念ながら、北海道や東北には基本的に生息していません。関東以西では瀬戸内海沿岸以外の本州、四国および九州ではニホンヤモリのみが分布します。
ところが関東以西の瀬戸内海沿岸では日本の在来種であるタワヤモリが分布していますし、九州では局所的にニシヤモリ・ヤクヤモリ・ミナミヤモリが生息しています。こうやって考えると九州って壁チョロの宝庫なんですよね。
ただし基本的にGekko属のヤモリたちを外見だけで区別するのは、まさに匠の技ともいうべきスキルが必要になってきます。ここではみなさんから惹かれてしまっては困るので、区別する方法は割愛いたします。
どうしても区別する方法が知りたい方は、私のプライベートサイトの「じゃぷれっぷ」をご覧下さい。
それでもなぜか壁チョロたちって「やもたん」などと言われて、女性からも人気があり、魅力的な生き物たちではあります。
冬に、なぜか凍えているところを保護されることが多いのですが、ぜひ今年の夏は暗闇の中を元気に動き回る「やもたん」たちの姿を観察してみてはいかがでしょう。
密入国者?のニホンヤモリ
もともと「やもたん(何だか急に気に入ってしまったので、以下「やもたん」に統一)」たちは森林や岩場、崖などを生息地としているのですが、特にニホンヤモリは人家などの人工建造物を好みます。実は、本来ニホンヤモリというのは「外来種」ではないかと言われています。つまりかつて日本には分布していなかったが、外国からの荷物などにくっついて日本に密入国したのではないかと。ですから山の中よりも町の中の方が数が多いのです。
確かにニホンヤモリは東京のど真ん中のビルにもくっついているのを見かけることがあるそうですが、私の住んでいる宮崎県では探してもなかなか見つけることができません。宮崎県は大きな港もなく、交通の便も悪いためニホンヤモリがなかなか分布を広げることができなかったのではないかとも思えます。
ですからニホンヤモリを探そうと思ったら、他の両爬のフィールディングのように野山を駆けめぐらずに、町中などを探す方がいいのです。