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帰化動物を考える!! カミツキガメのガメラ(2ページ目)

ある町で、野生化したカミツキガメに出会った友人から聞いたお話です。そのカミツキガメは町の方々に愛されていました。

執筆者:星野 一三雄

▼帰化動物たち
カミツキガメはもちろん外国から持ち込まれ、心ない飼育者たちに「捨てられて」野生化してしまった帰化動物です。千葉県の印旛沼では繁殖まで確認され、ミシシッピアカミミガメとともに「日本に」分布する爬虫類の仲間入りをしてしまいました。
しかも十分に人間に傷を負わせる力を持っているために「危険動物」にも指定されてしまった悲しいカメです。

つい最近も日本自然保護協会が行ったカメの目撃情報の集計のニュースがあり、目撃されたカメの60%がミシシッピアカミミガメであったという結果が発表されました。これらの帰化種たちが、今後どのような影響を及ぼすのか、とても心配で深刻な問題です。

しかし、捨てられて帰化してしまった動物たち自身に罪があるわけではありません。
彼らは自分たちの運命を呪いもせずに、押しつけられた環境の中で精一杯生き延びようとしているだけなのです。罪は「無責任に『捨てた』飼い主たち」にあるのです。

誤解のないように言いますが、私は決して外国の動物が帰化することに賛成はできませんし、カミツキガメの危険性も認識しています。できれば帰化動物は駆除した方がいいし、生態系に大きな影響を与えたり、人間に害をなす可能性がある動物はなおさらです。
しかし、このカミツキガメの「ガメラ」の話を聞いたときに、帰化動物を目の敵にしていたような自分の姿に疑問を感じてしまいました。少なくとも私は、いつまでも「ガメラ」が町の人に愛され続けてくれればなぁ、と強く思いました。

生き物や自然を死なせたり破壊したりするのも人間ならば、愛したり守っていったりするのも人間にしかできないことなんですね。

※なお、記事中のカミツキガメが住んでいるお堀は、柵で囲われており水面に人が近づけないようになっている安全な場所です。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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