しかし、どんなトラブルよりも恐ろしいのは「ズーノーシス(動物由来感染症)」でしょう。つまり、動物からヒトへ感染する病気です。
以前も記事にしましたが、特に「サルモネラ感染症」は爬虫類からヒトへの感染が示唆されています。
我々のような健康な大人は抵抗力があるのですが、新生児などのように抵抗力が弱い場合は、ちょっと菌が体に入ってしまったら、恐ろしいことになるかもしれません。
▼トラブル回避のための工夫
さて、みなさんはどのようにこれらのトラブルを回避しようとしているのでしょう。
大きく分けて3つの方法で対応されているようです。
1.生活空間を分ける
もっとも確実な方法でしょう。
「飼育部屋と育児の部屋を分ける」「ケージなどを手の届かない場所に設置する」などですが、さらに具体的な工夫として
・不必要に高出力のホットスポットを使わない
・ホットスポットはなるべくケージの奥の方へ設置
・ケージ群の前は、子供が近づけないようにあまりすっきりと整理しない
・壁の一部と思わせるように、壁一面にフラットに並べる
・布などで覆って目隠ししてしまう
本当に大変参考になります。
2.子供に言い聞かせる
赤ちゃんは4ヶ月くらいからケージに触れる程度から危険が生じ始めます。で、イタズラが猛烈になるのが1才を越えるあたりからとか。で、この頃からは「イタズラに対して注意をする」ことが効果が出てくるようです。無論、頭ごなしなどではなく。
具体的には
「怖がらせるとゴハンを食べなくなるよ」とか「強くつかむと尻尾が切れちゃうよ」などと説明すると「両爬は儚く弱いモノ」と思い込んでくれるようです。
ただし、逆に手の届かないケージに入っている個体などは、毎日とりだして子供の前で愛情を込めてハンドリングしてみせることによって親近感を持たせたり、興味を満足させてあげるのも効果的なようです。スバラシイ!!
3.とにかく衛生的に
先ほども書いたように、恐ろしいのはズーノーシスです。両爬は汚いのが当たり前。衛生には十分注意します。
・生体を扱った後は殺菌効果のある石けんで手を洗う
・清掃は頻繁に。特にWC個体のケージは汚れたらすぐ
・ケージの外に落ちた糞は危険。ケージ周りはいつも掃除機を
・水入れはレジオネラ菌の温床になりうる。塩素消毒を徹底的に
・空気清浄機の設置は有効
・変な高熱が出て病院に連れて行くときは迷わず医師に飼育している生き物のことを言う
とにかく新生児のためにも衛生面の対策は徹底的にです。
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写真:東京都 後藤さん |