全国の小中高生両爬ファンのみなさん、コンニチハ!
みんな夏休みを楽しんでいますか?楽しい夏休みもいよいよ中盤。そろそろ夏休みの宿題のことを考えなくてはね。これを読んでくれているみなさんならば、夏休み恒例「自由研究」には困っていませんよね?でも、もしも「今年の自由研究、どうしよう...」なんて人がいたら、今回は参考になるかも。
今回は、2003年夏限定。「カメ探し」をご紹介しましょう。
▼「カメ探し」って?
今回ご紹介するのは財団法人 日本自然保護協会(NACS)が主催するイベント「NACS-J自然しらべ2003 ~日本全国カメさがし~」です。
2003年8月31日までの期間に全国から、とにかくカメの目撃情報を集めてみよう、という企画なんです。在来種・外来種・帰化種さらにウミガメまで含めて自然の中で見つけたカメなら何でも、その目撃情報を募っているわけです。詳しい参加方法は後でご紹介するとして、なぜ今カメなのでしょうか?
▼カメを調査するということ
NACSでは「自然しらべ」として、毎年さまざまな生き物の調査をすることによって「身近な自然(水辺)に目を向けてほしい」と言うことを啓発しています。しかし、それとは別に日本のカメに起きている「異変」に気づいて欲しい、と言うことも今回の調査の目的にあげています。
それが移入外国産カメの帰化問題です。
◇ミドリガメの悲劇
私のサイトをいつもご覧いただいている方々なら、説明の必要はないでしょう。ミシシッピアカミミガメを中心にした、ペットとして移入された外国産のカメが大量に日本の水辺に帰化してしまっている問題です。
もちろん、飼育している生き物を故意に「捨てる」行為は許されるものではありません。
しかし、よく考えてみると、実際に帰化した外国産のカメたちが本来の生態系にどんな影響を与えているのかは、まだ十分な調査がなされ、そのデータに基づいて具体的に説明はされているとは言い難い状況です。
本当にミドリガメが殖えると在来のカメたちの生息が脅かされるのか?池や川で見られるクサガメやスッポンは全て日本産なのか?まだまだわからないことだらけなのです。
そういう意味でも全国で一斉にカメの生息状況を調べる、と言うのは大きな意味があると言えるでしょう。
◇調査は人海戦術
私もときどき両生爬虫類の生息調査をするのですが、特に爬虫類ほど生息調査が難しい動物はいないのではないでしょうか。
哺乳類ならば本体は見られなくても糞や体毛、足跡などでも生息の証拠になるし、鳥類は行動範囲が広いので遭遇するチャンスがあります。魚類や昆虫などは採集方法が発達していますし、両生類は鳴き声もあれば、繁殖期に水辺に集まる成体やその後の幼生ならば比較的容易に発見できます。
ところが、爬虫類(特にヘビ)は「(生息して)いるはずなのに、見つけることができない」ことが多いのです。もともとが警戒心も強く、隠れながら行動している場合が多いし、効果的なワナもないし、鳴くわけでもないし...とにかく爬虫類の生息調査には悩まされます。
ですから、今回のように多くの方に調査に参加してもらえば、目撃のチャンスも多くなり、多くのデータを集めることができるのです。
ぜひ、今回の調査には多くの方に参加していただきたいと思います。