全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!
さて、以前こちらの記事でも紹介した「CITES(ワシントン条約)」に関して、ついにその国内の関連法規である「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」の施行令の一部が改正されました。
この改正により昨年11月に開催された「CITES COP12」で附属書Iに掲載されたヒラオリクガメとロゼッタカメレオンの譲渡などに法的な規制がかかることになります。今回は、具体的にどんな規制がかかるのかなど、そんな疑問にお答えいたしましょう。
▼種の保存法とCITES
さて、まずはここで「種の保存法」についておさらいしておきましょう。
「種の保存法」は正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」といいます。この法律の目的は「野生動植物」が「生態系の重要な構成要素」であり「人類の豊かな生活に欠かすことのできないもの」と考えることから「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存」を図り「良好な自然環境を保全」することにより「国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する」ことです。
つまり「私たち人間のためにも絶滅の危機にある動植物たちを大切にしよう」とでも言うもので、まさに動植物の保護の法律的な後ろ盾になる法律なのです。
さて「種の保存法」では「希少な動植物」たちを、大きく「3つ」に分けて定義付けしています。
1.国内希少野生動植物種・・・国内に分布する絶滅のおそれのある動植物。両生爬虫類では「キクザトサワヘビ」、「アベサンショウウオ」の2種が含まれます。
2.国際希少野生動植物種・・・国際的に協力して種の保存を図ることとされている絶滅のおそれのある動植物種。多くの両生爬虫類が含まれています。日本にも分布するものとして「オオサンショウオ」、「ウミガメ科」および「オサガメ」があります。
3.特定国内希少野生動植物種・・・商業的に繁殖をさせることができ、国際的に協力して種の保存を図ることとされているものでない動植物。現在は植物のみしか対象になっていません。
※その他に「三年間」の期限付きで、緊急に種の保存が必要な場合に指定される「緊急指定種」というのもあります。
さて、ご存じのように希少動植物の国際的な商取引は「絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約(ワシントン条約=CITES)」によって規制されており、日本も批准しているわけですから、CITESで商取引を規制される対象に指定された動植物を、国内法で規制する必要があります。
そこで基本的にはCITESで、最も絶滅が危惧される種として、原則的に国際的な商取引が禁止される「附属書I」に掲載された種は「種の保存法」の「国際希少野生動植物種」に指定され、国内での取引が厳しい規制対象になるわけです。
つまり昨年11月の「CITES COP12」で「附属書I」に掲載された「ヒラオリクガメ」と「ロゼッタカメレオン」は、国内法である「種の保存法」の「国際希少野生動物種」に指定されたことになり、原則的に取引が禁止されるようになるわけです。
そして2月13日から、この2種があらたに「国際希少野生動植物種」に指定された政令「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令」が施行されました。つまり法律的にも、この2種に規制がかかったわけです。