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冬を乗り切る生き物たちの知恵 ヘビ界のニューハーフ!?(2ページ目)

自然は、やっぱり奥が深いです。なんと「メスを装ってオスを誘う」という芸当をこなすヘビがいます。何のために?彼らの冬を乗り切る知恵紹介します。最後まで読んで下さいね。

執筆者:星野 一三雄

▼冬眠中の生き物を採集してはいけません
さて、ガータースネークはアメリカのヘビですが、我らが日本のヘビたちだって、似たようなことをしている可能性があります。

日本版ガータースネークと言えるようなヒバカリやヤマカガシ、毒蛇ニホンマムシも小型の個体が、同様に集団で冬眠をしているのが発見されることが知られています。果たして、日本の彼らが、ガータースネーク同様に「ニューハーフ作戦」をとっているかどうかは知られていませんが、きっと何か彼らなりの重要な理由があって集団で冬眠をしているのでしょう。

ところが、残念ながらそんな彼らの必死の冬眠を利用して彼らを乱獲している業者がいるようです。冬眠中の彼らを見つけ出し一網打尽に採集してしまうのです。

もちろん、それを「食品」とするために昔からの生活の知恵としているのならば、仕方ないでしょう。しかし、そうやって大量に冬眠中のヘビやトカゲ、カエルを「大量入荷」などとうたって流通させるのは感心しません。

考えてみて下さい。彼らには必要があって冬眠し、季節の変化にしたがって徐々に、時間をかけて少しずつ目を覚ますという生活のリズムがあるのです。それを無理矢理、掘りおこして、いきなり活性をあげるわけですから、そんなの飼育できるわけがありません。特にヒバカリなどはただでさえ長期飼育がしにくいヘビなのです。「安いから」「大量に入荷したから」と言って、真冬に安易に購入しても下手をしたら夏まで持たずに殺してしまうことは火を見るより明らかです。

「真冬に」「大量に」「入荷したて」で販売されている日本のヘビは、ほとんどがこのパターンです。春になるのを待って野山に出て、元気な個体を自分の目で探してみましょう。きっと、ショップや通販では知ることができない、彼らの生活を見ることができ、それは必ず飼育に役立ちます。何より、安眠中のヘビを掘り起こしてしまうなんて「ヘビがかわいそう」だと思いませんか?

どうしても、そのヘビでなければ嫌だ、と言う方ならば、なおさらです。
暖かくなって、本当に彼らが元気になる季節まで、もうちょっと待ちましょう。

私たちが生き物一匹一匹を愛することができる「賢い」飼育者になって、このような「売られ方」を「ノー」と言えるようになれば、こうやって消費的に飼育され、人知れず死んでいく生き物たちが減っていくはずです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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