さて、そんなカメレオンの魅力を堪能するために、どんな努力と心構えが私たちに必要なのでしょうか。
◇広いケージでのびのびと
小さなベビーのうちは大きめのプラケなどでも飼育は可能ですが、エボシもパンサーも比較的大きくなります。最終的には風通しの良い大きめのケージが必要になります。ガラス温室などをそのままひとつ利用するのもいいでしょう。最低でも観賞魚用の90センチ水槽(900×450×450ミリ)の縦置きくらいの大きさは考えましょう。
またカメレオンは基本的に「蒸れに弱い」ので風通しの確保は必須です。
写真:レオレオ・カメレオン・ファーム |
◇高いところにケージをセット
最近は、あまり言われなくなってきましたが、その理由を考えれば、確かにそうしないよりはそうした方が良さそうなのが「カメレオンのケージは人間の視線よりも高い場所へ」というものです。
本来は樹上生活者であるわけですから、もともと低い場所は好まないはずです。どんな両爬でも同じですが、彼らの天敵を彷彿とさせる「上から見られる」ことは、ストレスの一因になります。メンテナンスや地震対策まで考慮に入れて、安定のよい場所にケージは設置しましょう。ただし、部屋の中の高い場所は高温の空気が滞留しがちです。通気と温度には目を光らせておきましょう。
写真:レオレオ・カメレオン・ファーム |
◇保温と紫外線の管理
保温はもちろん必要になります。基本的にはホットスポットを設置し、ケージ内に温度勾配を作って彼らに選ばせることになりますが、彼らの多くが生息している地域の気候(ステップ気候・サバナ気候)は、昼夜の温度差はかなり大きいと思われます。昼夜の温度差をつけてあげるのは長期飼育のポイントです。また紫外線の照射も必須です。
◇自由な立体活動
樹上が彼らの生活場所ですから、それを再現するためにケージ内には彼らが好む太さと素材の木の枝などを配する必要があります。
枝の太さが彼らの好みとは異なる場合、落下事故などが起こる可能性があるようです。
ただし、あまり複雑にしすぎても彼らの行動の自由を奪いかねませんので注意が必要です。
また観葉植物は彼らが食べることも考えられますので、毒性のない種類を利用します。
◇水の与え方
カメレオン飼育の工夫のひとつに「水の飲ませ方」があります。
自然では彼らはスコールや植物の葉についた朝露を舐めていると考えられています。また彼らは外部からの情報収集の大部分を優れた「視覚」から頼っていると思われますので、「ここに水があるよ」と教えてあげないと水の存在に気づかないようです。そのため水入れの設置や霧吹きのみでは水を飲まずに脱水症状になる場合があるようです。
みなさんが行われている工夫は主に三種類あるようです。
・ドリップ方式・・・水容器から水をぽたぽたと垂らす
・エアレーション方式・・・水容器の中にエアーを送り水面を動かす
・スポイト方式・・・個体ごとにスポイトなどで水を直接飲ませる
これらは個体により個性があるようですので、いろいろ試してみるしかないようです。