配合飼料・各種(淡水性)魚介類・ミミズなど。よく言われることですが淡水魚にはビタミンB1を破壊する酵素(サイアミナーゼ)が多く含まれます(魚種によって違います)ので単用は禁物です。
◇陸生ガメ
野菜・果物・野草などの植物質中心です。配合飼料も食うならば与えます。カルシウムが多く含まれている植物質を与えたいところです。が、シュウ酸は結石を誘発しますので、多く含まれる野菜や野草は与えすぎないように。
◇ヤモリ
地表性・樹上性ともに昆虫食です。樹上性の一部にはゼリーや果実などを食べるものもいますが、それだけで生きていくわけではありません。ときどきピンクマウスを与える事もあります。
◇トカゲ
最も多様な食性を持つグループでしょう。ほぼ完全に植物食性と考えてよいのはグリーンイグアナくらいです。モニターとカメレオンおよび小さなトカゲの仲間は完全動物食と考えていいでしょう。モニターなどは大きさに合わせて昆虫類からマウスを与えます。その他にペット用に流通している多くのトカゲ(テグー・中型以上のスキンク・フトアゴヒゲトカゲなどなど)は動物食に片寄った雑食性が多く、昆虫・マウス・野菜・果物・配合飼料など多様に与える必要があります。
有名なフレーズですが
「何でも食べる、ということはいろいろ与えなくてはいけない」
ということでもあり、そういう点ではトカゲの仲間は様々な餌を与える必要があり手間がかかります。
◇ヘビ
ヘビは基本的にマウスを与えれば飼えます。ただしトカゲ以上に偏食である場合もあります。爬虫類食・両生類食・昆虫食・甲殻類食などなどです。その種の好みに合わせた餌をコンスタントに供給できなければ飼育できません。
◇両生類
有尾類・無尾類ともに動物食です。基本は昆虫をはじめ魚介類・ミミズなど各種土壌生物を与えます。大型の個体にはピンクマウスも使われます。両生類は結構視覚を頼って餌を探しますので、慣れるまでは生きた餌を与えなくてはいけません。慣れればピンセットで与えることができるようになります。
有尾類の幼生は動物食ですので、ミジンコやイトミミズ、赤虫などを与える必要があります。一方、無尾類の幼生は植物食が強い雑食ですので、熱帯魚用の餌を併用するといいでしょう。
▼食っていないものを食わせることについて
両爬飼育で、ちょっと私が「?」に感じることがあります。
例えばシロマダラなどはトカゲや小さなヘビを野生では主食にしているのですが、これをマウスに餌付かせたりすることができます。
つまり、自然では食っていないものを、こちらの都合で食わせていくのはどうなのだろう、と。もちろん私にも、そうやって飼育をしているヘビをはじめ様々な両爬がいるのですが、常に疑問を感じています。
スッポン養殖における養鰻飼料とか、ヒョウモントカゲモドキへのコオロギとか、多くのヘビへのマウスとか、これまでの歴史の中で「これを食わせとけば、飼育どころか繁殖までおっけー」みたいな例はいいのですが、基本的に野生でいろいろな餌を食っている種類は、必要があってそういうものを食っているのがほとんどでしょう。彼らにとって「一番いい餌」がわからないのであれば「いろいろ与えてみる」方が理想なのではないでしょうか。
今、私たちが彼らに与えている餌が彼らにとっての「一番いい餌」である可能性は「そうでない」可能性よりも高いとは限らないでしょうから。
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餌(中編)エサのイロハ(昆虫編)
餌(後編)ヘビ飼育の最大の難関!?