全国の「コトハジメ」をお待ちの皆様。お待たせいたしました。ようやく両爬飼育初級講座「コトハジメ」も終盤であります。
今回は、大切であることが当然と言えば当然の(陸生種の)「湿度」つまり「水」に関してです。
▼「命の水」なんです!
恥ずかしい話なのですが、私の両爬飼育における最多の失敗、つまり飼育している生き物を殺してしまった原因は「給水忘れ」なのです。ほんとに恥ずかしいのですが、こんなに基本的で大切なことをできないでいることがあるのです。ただ、「水」や「湿度」関係の失敗というのは意外に多いのではないか、とも思っています。両爬飼育での「水の管理」は思っている以上に重要な要素なのです。
両爬飼育における水には2つの意味があります。
一つは彼らが生命を維持していくために不可欠な「飲み水」です。もう一つは、生活していく環境の「湿度」です。
▼飲み水の与え方と工夫
言うまでもなく、生き物にとって飲み水は必要です。特に爬虫類の場合は不要なタンパク質を「尿酸」という物質として排泄するために、水が不足すると「結石」などができやすくなるので、注意しなければなりません。
飲み水の与え方と言うのは種類あるいは個体によって千差万別と言えます。
基本的には「水容器に入れて置く」か「霧吹き」をするかです。以下に各グループごとに簡単に水の与え方を紹介しておきます。
・水生ガメ・・・水場の水を飲みます。ですから、水場の水はきれいにしておきましょう。ただし、植物プランクトンが増えている状態の「緑色の水」は決して悪い状態ではありません。
・リクガメ・・・自分からは水を積極的には飲みに行かない個体がいるようなので、代謝を上げるために行う「温浴」中に飲ませるとよいようです。
・トカゲ・ヤモリ・・・水容器から飲む個体も多いですが、霧吹きでケージ内壁やケージ内のアクセサリーについた水滴をなめさせることと併用した方がよいでしょう。
・カメレオン・・・樹上性である彼らは水容器を認識しないことがあるようです。大きめの水容器内にポンプでエアを送って水面を動かすことによって水を認識させたり、一滴一滴、水滴を落とす「ドリップ」方式で水を飲ますことが多いようです。
・ヘビ・・・水容器から水を飲みます。ヘビは水に浸かることが好きな種類も多く、脱皮前などは水浴びする個体も見かけます。ですから、とぐろを巻いた体がすっぽり入るくらいの大きめの水容器を用意します。
・両生類・・・体表から水分を吸収しますのでケージ内の湿度を管理することによって給水する事になります。